シュガートリック
保健室という単語を聞いて動揺してしまう。
それに気づいた流歌ちゃんは私の顔色を伺ってきて。
それに大丈夫だよ、と笑った。
「……もしかしたら、雪音嫌がるかもしれないんだけどね」
「……うん」
「今年保健室の先生変わったじゃん?今だから話せることなんだけど……去年の保健室の先生が月居に関係迫ったらしくて」
「え……っ!?」
まさかの事実に驚きでしかない。
あの、すごく綺麗な先生のことだよね……?
ゾクッとして既視感を覚える。
「でも月居は、保健室はそういう場所じゃないって先生相手に怒ったらしいのよ」
「……!」
「なぜかそれが噂として広まってるんだけど……」
そんなことがあったんだ……。
知らなかった識くんの噂を聞いて少し考えさせられる。
……識くんは、なんで保健室以外は拒否しないんだろう。
だって、私から見た識くんは……一瞬女の子に対してつまらなそうな顔をしてた。