シュガートリック




また気が緩んでる……っ。
そう思って前を向き、深呼吸をする。

……疲れた。
この短時間で謎の気力を使ったせいか、ドっと疲れてしまった。



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「あ、雪音」


あっという間に放課後になり、教室を出ると二組と一組の間で待っていた識くんから声がかかった。


「識くんのクラス終わるの早いね」

「今日担任いなかったから副担だったんだ」


その言葉に、なるほど……と頷く。

帰ろうか、と行ってきた識くんの斜め後ろをついていく。

……いつも以上に視線が痛い。
識くんといるからか余計人が集まっているように感じて警戒してしまう。

……大丈夫、識くんと一緒だから声かけられることはないよね。


斜め前を歩いている識くんをチラリと見上げると、なんだか少し頼もしく感じる。




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