シュガートリック
で、でも……女の子達に申し訳ないっていう気持ちはあるもん……っ。
「隣おいでよ」
「…ぅっ」
「取って食ったりはしないから大丈夫だよ?」
「…っ、当たり前だよ……っ?!」
何言ってるの……っ?
わけも分からず顔に熱が集中する。
あーっ、もう!
学校で顔赤くなりたくなかったから距離保ってたのに……っ!
そんな私の様子に、楽しそうに笑った識くんに少しムッとする。
「はい、おいでよ」
「…〜っ」
近くに誰もいないのを確認した識くんは、私の腕を掴んで隣まで引っ張ってきて。
隣にいるのが少し照れくさく感じて言葉にならない。
パッと私から手を離した識くんはまた歩き出した。
そのまま歩いているけど、やっぱり視線はまた増えてきて。
玄関について靴を履き替えている時。
「あっ、識!」
近くから識くんに声がかかって。
それに私も振り向いてしまう。