シュガートリック




「はぁー……」

「識くん……?」

「よく考えると、あんな噂されてる雪音がこんな純粋でピュアとか反則だよね」

「はい……?」


大きくため息をついた識くんを不思議に思うと。
その後に続けて言った言葉にもっと分からなくなる。

反則……?どういうこと……?


チラリと私も見た識くんにどんどん首が傾いていく。


「……雪音のこと知ってるの俺だけでよかった」

「あ……」

「これからも俺だけじゃなきゃね」

「……っ」


最後に見せた意地悪そうな笑みに、ドキッとして言葉に詰まる。

不意打ちだよ……っ。
またいつもの雰囲気に戻って、私の心臓はドキドキうるさく鳴り始める。


「……そういえばさ」

「っ、うん」

「俺たち、噂広まっちゃったね」


すると、識くんは思い出したようにそう言って。

私も、あっとなる。



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