シュガートリック




周りから顔を見られないようにロングの髪の毛で少し顔を隠す。

無意識に走ってたみたい……恥ずかしい……っ。


「…見て、花染さんめっちゃあざとい」

「可愛いー……髪で顔隠す仕草がもうモテテクって感じ」

「私もあんな可愛い子に駆け寄られて上目遣いされたらさすがに惚れる」

「だよね。男絶えない理由がわかる」


恥ずかしくて自分を落ち着けていたら、周りからヒソヒソと声が聞こえて。

ビクッとして、パッと顔を隠している髪から手を離す。

……っ、今のってあざとかったの?
ただ赤くなった顔を隠すためにしていた行為が周りからはそう見えてしまったようで、少し胸がズキっと痛くなる。

全部無意識でやっていた事が余計噂を大きくしてしまっていることに気づいて、目線を落とした。


「……雪音」

「…あ、ごめんね……っ」


そんな私に声をかけた識くんに、ハッとする。



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