シュガートリック




クラスの人達も驚いている様子で。

……聞き間違えでは……、


「二人、クジで決めます」


……うん、耳正常。

もう一度言った先生に、教室中が「えー!!」という声で溢れかえる。
私も一緒に叫びたいくらいだ。


二人しか選ばれないから、可能性は低いけど。
でもでもでも。選ばれる可能性も少しはあるということで。

絶対、嫌だ……っ!!
と表情には出さないけど、心の中でそう思う。


ダラダラと冷や汗が出てくる。

ま、まあ……さすがに選ばれるわけ、ないよね?


「じゃあ一人ずつクジ引いてってね」


そう言った先生の言葉に、クラスの人達は動き出す。


「え、絶対やりたくない」

「ほんとそれな。めんどくさそう」

「春哉くんとならやってもいいけど〜」

「それはそう」



周りの女の子の会話が聞こえてきて、胃が痛くなってきた。



< 98 / 344 >

この作品をシェア

pagetop