シュガートリック
クラスの人達も驚いている様子で。
……聞き間違えでは……、
「二人、クジで決めます」
……うん、耳正常。
もう一度言った先生に、教室中が「えー!!」という声で溢れかえる。
私も一緒に叫びたいくらいだ。
二人しか選ばれないから、可能性は低いけど。
でもでもでも。選ばれる可能性も少しはあるということで。
絶対、嫌だ……っ!!
と表情には出さないけど、心の中でそう思う。
ダラダラと冷や汗が出てくる。
ま、まあ……さすがに選ばれるわけ、ないよね?
「じゃあ一人ずつクジ引いてってね」
そう言った先生の言葉に、クラスの人達は動き出す。
「え、絶対やりたくない」
「ほんとそれな。めんどくさそう」
「春哉くんとならやってもいいけど〜」
「それはそう」
周りの女の子の会話が聞こえてきて、胃が痛くなってきた。