シュガートリック
そろそろ私の番に回ってきて、心の中で絶対引きませんように……!と祈る。
「はい、じゃあ花染さん引いて」
先生に声をかけられて、心臓がバクバクになりながらくじを引く。
紙が折りたたまれていて、開くと結果がわかる仕組みみたい。
……っ、お願い……!
先生や周りの人から注目されながらも、平然を装って紙を開くと。
「……っ、あ」
……
…………
………………っ!!!!!
そこには、黒い文字で『当たり』とだけ書かれていた。
……当たりってことは……まさか……。
恐る恐る先生の方に視線を向けると。
「はい、じゃあ一人は花染さんね」
「……」
終わった……。
笑顔で言った先生に、頭の中が真っ白になる。
黒板に私の名前が書かれて現実だと実感すると、絶対嫌だと叫びたくなってきた。