Good day ! 3
第十四章 家族の絆
「はあー、可愛いなあ。いつまでも見ていられる」
2つ並べたベビーコットの中の赤ちゃんを、大和はひたすら眺めている。
無事に手術が終わり病室に戻ってくると、赤ちゃんもすぐに連れて来られた。
「お兄ちゃんは2512g、妹ちゃんは2505gで、保育器も必要ないわ。二人ともとっても元気。ママ、本当によく頑張ったわね」
「ありがとうございます」
木村先生の言葉に、恵真はホッとしてお礼を言う。
「しばらくはママの身体も思うようには動かないから、無理に赤ちゃんのお世話しなくても大丈夫よ。まずはゆっくり休んでね」
恵真と大和がもう一度頭を下げると、先生はにっこり笑って出ていった。
「恵真、本当にありがとう。身体は大丈夫?」
大和が心配そうにベッドの横に座って尋ねる。
「ええ、大丈夫。まだ麻酔が効いてるみたいだから。でも切れたら痛むのかも…」
ちょっと怯えた顔をすると、大和は優しく恵真の頭に手を置く。
「頑張ってくれてありがとう。俺が痛みを代われればいいのに」
「ううん、平気。可愛い赤ちゃんの顔を見てると、そんな事吹き飛んじゃう。あ!そう言えば大和さん。ご両親に報告は?」
「そうだ、まだだった。恵真のご両親にもしておかないとな」
両家合わせたメッセージアプリのグループに、
『無事に産まれました。男の子と女の子の双子で、母子共に元気です』
と送る。
「ね、双子の写真も送りますか?」
「そうだな。俺、今撮るよ」
大和は立ち上がり、ベビーコットの上から覗き込んで何枚も写真を撮る。
「どの写真がいい?」
「ふふ、どれも一緒な気もするけど」
「確かに。何の変化もないな、あはは」
「でもどれも可愛い」
結局、最初の1枚目を送った。
すると両家の両親四人から、すぐにメッセージが書き込まれる。
「わー、やたらと興奮してる。おふくろの誤字脱字が酷い」
苦笑いする大和に、恵真も「うちもです」と笑う。
よほど急いで打ったのだろう。
「おめでとう」が「おでめとう」になっていたり、おとこのことおんなのこ?かわいいー、はやくあいたいー、と、平仮名だらけだった。
「大和さん、いつご両親に会いに来てもらいますか?」
「うーん、恵真の体調次第だな。退院して落ち着いてからにする?」
恵真は少し思案する。
「入院中の方がいいかも。うちだと、お茶とか食事の用意もあるし」
「そんなの、恵真が気にする必要ないよ。でも確かに、入院中の方がいいかもね。退院の前日とかはどう?」
「ええ、私は大丈夫てす。あ、10日の方が日曜日でいいかも?」
「じゃあ、10日で提案してみよう」
大和が早速、11月10日に面会に来られますか?と書き込むと、行きます!と両家からすぐに返事があった。
「はは!前のめりだなあ」
「両家とも初孫ですしね」
「ああ。もうデレデレだろうな」
「ふふ、目に浮かびます」
それより、と大和が恵真を振り返る。
「恵真、少し眠りな。俺が赤ちゃん見てるから」
「はい。でも、眠れるかな?」
「じゃあ赤ちゃんよりも先に、ママを寝かしつけるか」
冗談交じりにそう言うと、大和はベッドの横の椅子に座り、恵真の頭をなでる。
「お疲れ様。何ヶ月もずっと頑張ってくれてありがとう。ゆっくり休んで」
「はい」
恵真はにっこり微笑むと目を閉じる。
心の底から安堵し、いつの間にかすうっと恵真は眠りに落ちていった。
2つ並べたベビーコットの中の赤ちゃんを、大和はひたすら眺めている。
無事に手術が終わり病室に戻ってくると、赤ちゃんもすぐに連れて来られた。
「お兄ちゃんは2512g、妹ちゃんは2505gで、保育器も必要ないわ。二人ともとっても元気。ママ、本当によく頑張ったわね」
「ありがとうございます」
木村先生の言葉に、恵真はホッとしてお礼を言う。
「しばらくはママの身体も思うようには動かないから、無理に赤ちゃんのお世話しなくても大丈夫よ。まずはゆっくり休んでね」
恵真と大和がもう一度頭を下げると、先生はにっこり笑って出ていった。
「恵真、本当にありがとう。身体は大丈夫?」
大和が心配そうにベッドの横に座って尋ねる。
「ええ、大丈夫。まだ麻酔が効いてるみたいだから。でも切れたら痛むのかも…」
ちょっと怯えた顔をすると、大和は優しく恵真の頭に手を置く。
「頑張ってくれてありがとう。俺が痛みを代われればいいのに」
「ううん、平気。可愛い赤ちゃんの顔を見てると、そんな事吹き飛んじゃう。あ!そう言えば大和さん。ご両親に報告は?」
「そうだ、まだだった。恵真のご両親にもしておかないとな」
両家合わせたメッセージアプリのグループに、
『無事に産まれました。男の子と女の子の双子で、母子共に元気です』
と送る。
「ね、双子の写真も送りますか?」
「そうだな。俺、今撮るよ」
大和は立ち上がり、ベビーコットの上から覗き込んで何枚も写真を撮る。
「どの写真がいい?」
「ふふ、どれも一緒な気もするけど」
「確かに。何の変化もないな、あはは」
「でもどれも可愛い」
結局、最初の1枚目を送った。
すると両家の両親四人から、すぐにメッセージが書き込まれる。
「わー、やたらと興奮してる。おふくろの誤字脱字が酷い」
苦笑いする大和に、恵真も「うちもです」と笑う。
よほど急いで打ったのだろう。
「おめでとう」が「おでめとう」になっていたり、おとこのことおんなのこ?かわいいー、はやくあいたいー、と、平仮名だらけだった。
「大和さん、いつご両親に会いに来てもらいますか?」
「うーん、恵真の体調次第だな。退院して落ち着いてからにする?」
恵真は少し思案する。
「入院中の方がいいかも。うちだと、お茶とか食事の用意もあるし」
「そんなの、恵真が気にする必要ないよ。でも確かに、入院中の方がいいかもね。退院の前日とかはどう?」
「ええ、私は大丈夫てす。あ、10日の方が日曜日でいいかも?」
「じゃあ、10日で提案してみよう」
大和が早速、11月10日に面会に来られますか?と書き込むと、行きます!と両家からすぐに返事があった。
「はは!前のめりだなあ」
「両家とも初孫ですしね」
「ああ。もうデレデレだろうな」
「ふふ、目に浮かびます」
それより、と大和が恵真を振り返る。
「恵真、少し眠りな。俺が赤ちゃん見てるから」
「はい。でも、眠れるかな?」
「じゃあ赤ちゃんよりも先に、ママを寝かしつけるか」
冗談交じりにそう言うと、大和はベッドの横の椅子に座り、恵真の頭をなでる。
「お疲れ様。何ヶ月もずっと頑張ってくれてありがとう。ゆっくり休んで」
「はい」
恵真はにっこり微笑むと目を閉じる。
心の底から安堵し、いつの間にかすうっと恵真は眠りに落ちていった。