Good day ! 3
第十五章 新鮮な日々
いよいよ退院の日を迎えた。

朝、恵真は最後に木村先生の診察を受ける。

「うん!お腹の傷もきれいね。子宮も問題なし。赤ちゃん達も小児科の先生に診てもらいました。二人とも健康そのものよ」
「ありがとうございます!」

恵真はホッとして、先生にお礼を言う。

「木村先生、今まで本当にお世話になりました」
「いいえ。佐倉さんこそ、妊娠中大変だったでしょう?よく頑張ったわね。双子ちゃん育児、頑張り過ぎないように頑張ってね。まあ、あのパパさんが一緒なら大丈夫そうね」

先生の言葉に、あはは…と恵真は苦笑いする。

面会時間になり、大和が赤ちゃんの着替えを持って病室に入って来た。

「恵真!いよいよ退院だな。あー、もう俺、嬉しくて嬉しくて。恵真の入院中、夜は一人で寂しかったけど、今日からは四人一緒だぞ!ずーっとずーっと一緒だからな!」
「あ、はい。大和さん、荷物を先に車に運んで来てもらえますか?」
「え?あ、うん」

ハグしてきそうな勢いの大和に、恵真は冷静にバッグを渡す。

仕方なく大和が荷物を手に病室を出ると、恵真は翼と舞を、真っ白なベビードレスに着替えさせた。

戻って来た大和が、おお!と驚く。

「可愛いなあ。まさに天使!」

早速何枚も写真を撮る大和の横で、恵真は忘れ物がないかを確認する。

「よし、大丈夫。じゃあ大和さん、翼をお願いします」
「分かった。さあ、おうちに帰るぞー!」

大和が翼を抱き、恵真が舞を抱いて最後にナースステーションの前で挨拶する。

「皆様、本当にお世話になりました」
「わー、ついに双子ちゃん退院なのね!寂しくなるなあ」

手の空いている看護師達が、双子を見に集まった。

「あ、木村先生!ちょうど良かった。佐倉さん、退院されます」

廊下を通りかかった先生に気づき、手招きした看護師が記念写真を撮ってくれた。

「先生、妻と子ども達がお世話になりました。本当にありがとうございました」
「退院、おめでとうございます!パパさん、これからもしっかりママと赤ちゃん達を守ってあげてくださいね」
「はい!」

皆に見送られ、四人はお世話になった病院を感慨深くあとにした。
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