Good day ! 3
毎日があっという間に過ぎていく。

双子育児はどんなに大変なのだろうと身構えていたが、いざ始まってみると、なんだかんだと楽しい毎日だった。

「なんかさ、修学旅行みたいだよな」

赤ちゃん枕を並べて眠る翼と舞を挟んで、布団に横になり、大和は恵真に話しかける。

「こうやって、みんなが寝たあと、起きてるやつでヒソヒソ話するの」
「ありましたねー、そういうの」
「でさ、大抵話題は、誰が好きなの?みたいな」
「あはは!そうそう」
「えっ?!恵真もそういう話したの?誰が好きだったの?」
「誰って…。名前言ったら分かるんですか?」
「な、何ー?!一体、誰なんだよ?」
「いませんよ。その時に好きな人は」
「ほんとに?」
「本当です。たとえいたとしても、名前言っても分からないでしょ?」
「ムーッ!でもなんか嫌だ!」

大和はガバッと起き上がると、翼と舞を通り越して恵真の隣に寝る。

「ちょっ、大和さん?」

戸惑う恵真を、大和はぎゅっと抱きしめた。

「恵真。いつまでも、恵真は俺だけの恵真だ」

そう言って、恵真の頭を抱き寄せてキスをする。

「や、大和さん、翼と舞がいるのに…」

恵真は顔を赤くして、大和の胸を押し返す。

「パパとママが仲良くして何が悪い?二人とも、俺達の愛の結晶だぞ」
「そうだけど、あの、教育上よろしくないかと…」
「恵真。先に言っておくけど、俺はずっと、『行ってきます』と『ただいま』のキスはやめないぞ。あと、『おはよう』と『おやすみ』のキスもな」

ヒー!と恵真は仰け反る。

「じゃ、じゃあ、今のこのキスは?」
「これは、『愛してる』のキス」
「まだあるんですか?!」
「まだまだあるよ。あるに決まってる」

翼と舞を気にしてソワソワする恵真を、大和はぎゅっと抱きしめて何度もキスをする。

身を固くしていた恵真は、やがてうっとりと大和の腕に身体を預けていった。
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