Good day ! 3
舞の隣に翼と一緒に横になり、恵真はスノードームを逆さにしてからオルゴールを鳴らす。

雪の中を踊る人形を見つめながら、恵真は翼に話しかけた。

「ねえ、翼。この踊ってる男の子と女の子、翼と舞でしょう?楽しそうね。ママね、このオルゴールの曲、大好きなの」
「あー!」

まるで相づちのように、翼が声を上げる。

「ふふ、翼、お話するの上手ね」
「うー!」
「あはは!ほんとに上手よ。パパに動画送ってあげようか」

恵真は、スマートフォンを片手に翼に話しかける。

「佐倉 翼くーん!」
「あー!」
「ふふ、お返事上手ね。じゃあ、パパのこと好きな人ー?」
「あー!」
「あはは!ママのことは好きー?」
「うー!」
「じゃあ、舞のことも好きかなー?」
「あーうー!」
「ふふふ、良く出来ましたー!」
「あー!」

恵真は笑いながら録画を止めると、早速大和に送る。

「翼、パパきっとびっくりするよー。お話上手だねって、褒めてくれるよ」

恵真が笑顔で翼のお腹をこちょこちょとくすぐると、翼は楽しそうに手足を動かす。

先程までの暗い気持ちが嘘のように、恵真は翼と笑い合った。
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