Good day ! 3
第十八章 母の強さ
「翼、舞、お誕生日おめでとう!」

11月5日、二人は無事に1歳の誕生日を迎えた。

これまで大きな病気やケガもなく、すくすくと大きくなってくれた事に、恵真と大和は改めて感謝する。

卵や牛乳を使わないカップケーキを作り、フルーツで飾ってロウソクを1本立てる。

恵真と大和がハッピーバースデーの歌を歌い、代わりにロウソクを吹き消して拍手すると、二人も真似をしてぱちぱちと手を叩いた。

「もう1歳か。早いなあ」
「本当に。二人ともつかまり立ちや伝い歩きもするから、もうすぐ歩き始めるかも」
「そうか。手を繋いで散歩に行ける日も近いな」
「ええ。でも走り出したら、追いかけるのも大変になりますね」
「そうだな。俺もいいトレーニングになりそうだ」

最近は、翼と舞を両手に抱っこする事も多くなり、大和は恵真と、まるで筋トレだな、と笑い合っていた。

ソファの前に置いていたローテーブルも、頭を打っては危険なので、別の部屋に撤去していた。

熱いコーヒーを飲む時は、双子の手が届かないようにダイニングテーブルの真ん中に置く。
玄関やダイニング、キッチンなどあちこちにアルコール消毒液を置き、帰宅したらすぐ手を消毒、そして双子が触れる物もこまめに拭いた。

キッチンにベビーゲートを付けたり、低い位置に物を置かない、など、双子の成長に合わせて少しずつ部屋の中の配置も変えていた。
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