Good day ! 3
タキシングを終えて滑走路に正対すると、タワーの管制官から離陸許可が伝えられた。

「J-Wing 186. Wind 120 at 8. Runway16 Right. Cleared for takeoff」

「Runway16 Right. Cleared for takeoff. JW 186」

恵真がリードバックを終えると、大和が気合いを入れて声をかける。

「よし、行こう」
「はい」
「Cleared for takeoff」
「Runway clear. Cleared for takeoff」

大和がスラストレバーを約20TPRまで押し進め、エンジン計器に異常がないことを確認した恵真は「Stabilize」とコールした。

続いて大和はTO/GAスイッチを押すと同時にブレーキをリリース。
スラストレバーは、自動的に離陸位置に入る。

ゆっくりと機体が動き出し、オートスロットルのモードが変わったのを確認した恵真は「Thrust Ref」とコールした。

機体は滑走路の上をどんどん加速して走り続ける。

エンジン推力を表す指標が離陸推力まで達したのを確認し、恵真は「Thrust Set」とコールする。

対気速度計が80ノットに達した。

「Eighty」
「Checked」

恵真のコールに、自分の目で計器を確かめた大和が応える。

続いてオートスロットルがHOLDモードになっていることを確認し「Hold」とコール。

やがて離陸決心速度に達した。

「V1」
この先はもう飛び立つしかない。
大和の右手がスラストレバーから離れた。

「VR」
ゆっくりと大和が操縦桿を引き、機首が空へと引き上げられる。

「V2」
安全離陸速度に入り、昇降計の上昇指示を確認した恵真は、さらに「Positive」とコールする。

「Gear up」
「Roger. Gear up」

ギアが無事に格納されたのをチェックすると、管制官から交信が入った。

「JW 186. Contact Departure. Good day!」
「Contact Departure, JW 186. Good day!」
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