Good day ! 3
恵真と大和は、ひたすら皆が落ち着くのを黙って待つ。

ひとしきり盛り上がったあと、ようやく話が出来る状態になり、恵真は少しずつ詳細を話し出す。

「今は妊娠3ヶ月の半ばで、近々大きな病院に転院します。そこで出産することになると思います」
「え、それじゃあ恵真、こっちで産むの?」
「うん。大和さんが産前産後に合わせて休暇を申請してくれるの。だから産後も二人でやっていこうと思って」

すると大和の母が心配そうな顔をする。

「恵真ちゃん、ご実家で里帰り出産してもいいのよ?お母様のそばが安心じゃない?」
「いえ。私は出産も子育ても、大和さんと一緒にやっていきたいです。上手くいかないかもしれませんが、まずは二人で少しずつやっていこうと思っています。それでもやっぱり何かあった時には、長野にいる母より、お母様に頼らせて頂くかもしれませんが」
「もちろんよ。いつでも連絡してね。すぐに駆けつけるから。タクシーで30分くらいの距離だしね」
「はい、とても心強いです。ありがとうございます」

しばらく黙っていた恵真の母が口を開く。

「恵真。あなたが頑固者なのは良く分かってるから、きっと何を言っても自分の決めた事を貫くのだろうけど。でもね、妊娠や出産はホルモンバランスが乱れて、心が不安定になったりもするから、いつでも電話してきなさい。遠くにいても、いつだってあなたを支えるからね」
「うん。ありがとう、お母さん」

恵真は目を潤ませて頷いた。
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