Good day ! 3
第四章 新しい仕事
「佐倉さん、初めまして。主治医の木村です。マリア・ハート クリニックからの紹介状、拝見しました。双子ちゃんを妊娠されているんですね。今は10週と4日…なるほど。では早速診察しますね」
誕生日の2日後、恵真は大和と転院先の病院に初診に来ていた。
ハキハキとした明るい女性医師が、手際良く診察してくれる。
「うん!順調に大きくなってますね。ここまで特にトラブルもありませんでしたか?」
「はい、特に何も。つわりもそんなに酷くないですし」
「そうなんですね、それは良かった。双子ちゃんママにしては、とても順調です。えーっと、今はお仕事はどうされてますか?」
「あ、はい。自宅待機、と言いますか、休職している状況です」
なるほど、と頷く先生に、大和が質問する。
「あの、妻はずっと家で安静にしています。ですがこれからは、例えば3時間程、時々オフィスでデスクワークをするのは可能でしょうか?通勤も電車は避けて車にします。私と同じ職場なので、私が車で送ります」
思いがけない話に、恵真は驚いて大和を見る。
「そうですねえ。もちろんその日の体調次第ですが、気分転換になるなら大丈夫ですよ。車なら、満員電車で押されたりしませんしね。ちなみに職場には、ストレスになるような嫌な上司はいませんか?小言を言ってきたり、ネチネチ愚痴を言ってきたりとか」
「あはは!そんな人はいません」
「あら、いいわね。羨ましい。それなら職場で少しずつお仕事してみても構いませんよ」
「分かりました。必ず体調第一で、無理のない範囲にします」
(大和さん、一体なんのお話を?)
恵真は首をかしげて、二人のやり取りを聞く。
「それでは分娩の予約も入れておきますね。予定日は11月22日ですが、おそらく11月の第一週に出産する事になると思います。ちなみに分娩のご希望はありますか?どうしてもこの日に産みたい、とか、可能なら自然分娩を、とか」
恵真は少し考えてから首を振る。
「私の希望は何もありません。赤ちゃんにとって一番安全な方法でお願いします」
「分かりました。それなら帝王切開にしましょう。赤ちゃんの体重をしっかり見極めて、出産の日を決めますね」
それにしても…と先生は顔を上げて続ける。
「随分しっかりしたママね。ちゃんと赤ちゃんのことを大事に考えているし、パパもそんなママを大切にしてくれてる。素敵なお二人のもとに産まれてくる赤ちゃんは、とっても幸せね」
いえ、そんな、と恵真は照れてうつむいた。
誕生日の2日後、恵真は大和と転院先の病院に初診に来ていた。
ハキハキとした明るい女性医師が、手際良く診察してくれる。
「うん!順調に大きくなってますね。ここまで特にトラブルもありませんでしたか?」
「はい、特に何も。つわりもそんなに酷くないですし」
「そうなんですね、それは良かった。双子ちゃんママにしては、とても順調です。えーっと、今はお仕事はどうされてますか?」
「あ、はい。自宅待機、と言いますか、休職している状況です」
なるほど、と頷く先生に、大和が質問する。
「あの、妻はずっと家で安静にしています。ですがこれからは、例えば3時間程、時々オフィスでデスクワークをするのは可能でしょうか?通勤も電車は避けて車にします。私と同じ職場なので、私が車で送ります」
思いがけない話に、恵真は驚いて大和を見る。
「そうですねえ。もちろんその日の体調次第ですが、気分転換になるなら大丈夫ですよ。車なら、満員電車で押されたりしませんしね。ちなみに職場には、ストレスになるような嫌な上司はいませんか?小言を言ってきたり、ネチネチ愚痴を言ってきたりとか」
「あはは!そんな人はいません」
「あら、いいわね。羨ましい。それなら職場で少しずつお仕事してみても構いませんよ」
「分かりました。必ず体調第一で、無理のない範囲にします」
(大和さん、一体なんのお話を?)
恵真は首をかしげて、二人のやり取りを聞く。
「それでは分娩の予約も入れておきますね。予定日は11月22日ですが、おそらく11月の第一週に出産する事になると思います。ちなみに分娩のご希望はありますか?どうしてもこの日に産みたい、とか、可能なら自然分娩を、とか」
恵真は少し考えてから首を振る。
「私の希望は何もありません。赤ちゃんにとって一番安全な方法でお願いします」
「分かりました。それなら帝王切開にしましょう。赤ちゃんの体重をしっかり見極めて、出産の日を決めますね」
それにしても…と先生は顔を上げて続ける。
「随分しっかりしたママね。ちゃんと赤ちゃんのことを大事に考えているし、パパもそんなママを大切にしてくれてる。素敵なお二人のもとに産まれてくる赤ちゃんは、とっても幸せね」
いえ、そんな、と恵真は照れてうつむいた。