Good day ! 3
5月10日。
恵真が無事に妊娠4ヶ月目に入ったその日は、大和の37歳の誕生日でもあった。
「大和さん、お誕生日おめでとうございます!」
「ありがとう、恵真」
乗務を終えて帰って来た大和に、恵真は久しぶりにたくさんの手料理を振る舞った。
「うわ!恵真。こんなに作ってくれて大丈夫だったの?」
「ええ。食材はネットスーパーで買ったし、休憩しながら少しずつ作ったから」
「そうか。ありがとう!恵真の手料理はどんなレストランよりも美味しいから、嬉しいよ」
チキンのカチャトーラやオニオングラタンスープ、鮭のムニエルなど、恵真は大和の好きなものばかりを用意していた。
大和は嬉しそうに次々と平らげていく。
バースデーケーキはビターなチョコレートケーキを作り、筆記体で
『Happy Birthday!YAMATO』
と書いてアラザンで飾った。
「うわー、これまた本格的だなー。作るの大変だっただろ?」
「ううん。時間だけはたっぷりあるし、気分転換になって楽しかったです」
「そう?それなら良かった。早速頂いてもいい?」
「はい。じゃあ、ロウソク吹き消してください」
大和は一気に、長いロウソク3本と小さなロウソク7本を吹き消す。
「おめでとうございます!大和さん」
パチパチと拍手する恵真に、大和はにっこり笑いかける。
「ありがとう!あー、幸せだな、俺。てっきりずっと一人で生きていくと思ってたのに、こんなに可愛い奥さんが来てくれて、更には双子ちゃんまで!もう天にも登りそうだよ。どうしよう。そのうちフライトで、めちゃくちゃ高い高度を飛んじゃうかも」
またいつものメロメロ節が始まり、恵真は冷静にケーキを切り分けながら、「それはやめてくださいね」と真顔で言う。
これまた美味しい!と笑顔でケーキを食べる大和に、恵真はプレゼントを差し出した。
「はい、大和さん。お誕生日プレゼントです」
「ええー?もしかして恵真、買いに出掛けたの?」
「いえ、ネットで買いました。本当はちゃんとお店に探しに行きたかったんですけど、ごめんなさい」
「まさか、そんな。気持ちだけで充分だよ。無理して街に出掛けなくて良かった。ありがとう!」
ふふっと恵真は微笑んで、ラッピングをそっと開ける大和を見守る。
「お!これって手帳?凄いなー、世界地図と、飛行機か!」
本革の小ぶりの手帳は、表紙に世界地図が彫られていて、くるりと巻いてある紐に、真鍮で作られた飛行機のチャームが付いている。
「かっこいいなー。こんなのあるんだ。凄く気に入ったよ」
そう言いながら飛行機のチャームを持って、手帳に巻いてある紐を解いた大和は、中を見て目を見開いた。
「恵真、これ…」
中はフリー台紙になっていて、恵真はそこに赤ちゃんのエコー写真を貼り、日付けや週数を書き込んでアルバムにしていた。
「うわー、なんて可愛いんだ。最高の手帳だよ!」
興奮気味の大和に、恵真は照れ笑いする。
「良かった。そんなに喜んでもらえるなんて」
「世界で一番のプレゼントだよ。ありがとう!恵真。俺、これからずっとフライトバッグに入れて持ち歩くよ」
「じゃあ、また写真が増えたら貼っていきますね」
「ああ、頼むよ。あと来月の恵真のウェディングドレスの写真もね」
「ふふ、はい」
「最高の誕生日だよ。ありがとう、恵真」
はにかんだ笑みで頷く恵真を、大和は優しく抱き寄せてキスをした。
恵真が無事に妊娠4ヶ月目に入ったその日は、大和の37歳の誕生日でもあった。
「大和さん、お誕生日おめでとうございます!」
「ありがとう、恵真」
乗務を終えて帰って来た大和に、恵真は久しぶりにたくさんの手料理を振る舞った。
「うわ!恵真。こんなに作ってくれて大丈夫だったの?」
「ええ。食材はネットスーパーで買ったし、休憩しながら少しずつ作ったから」
「そうか。ありがとう!恵真の手料理はどんなレストランよりも美味しいから、嬉しいよ」
チキンのカチャトーラやオニオングラタンスープ、鮭のムニエルなど、恵真は大和の好きなものばかりを用意していた。
大和は嬉しそうに次々と平らげていく。
バースデーケーキはビターなチョコレートケーキを作り、筆記体で
『Happy Birthday!YAMATO』
と書いてアラザンで飾った。
「うわー、これまた本格的だなー。作るの大変だっただろ?」
「ううん。時間だけはたっぷりあるし、気分転換になって楽しかったです」
「そう?それなら良かった。早速頂いてもいい?」
「はい。じゃあ、ロウソク吹き消してください」
大和は一気に、長いロウソク3本と小さなロウソク7本を吹き消す。
「おめでとうございます!大和さん」
パチパチと拍手する恵真に、大和はにっこり笑いかける。
「ありがとう!あー、幸せだな、俺。てっきりずっと一人で生きていくと思ってたのに、こんなに可愛い奥さんが来てくれて、更には双子ちゃんまで!もう天にも登りそうだよ。どうしよう。そのうちフライトで、めちゃくちゃ高い高度を飛んじゃうかも」
またいつものメロメロ節が始まり、恵真は冷静にケーキを切り分けながら、「それはやめてくださいね」と真顔で言う。
これまた美味しい!と笑顔でケーキを食べる大和に、恵真はプレゼントを差し出した。
「はい、大和さん。お誕生日プレゼントです」
「ええー?もしかして恵真、買いに出掛けたの?」
「いえ、ネットで買いました。本当はちゃんとお店に探しに行きたかったんですけど、ごめんなさい」
「まさか、そんな。気持ちだけで充分だよ。無理して街に出掛けなくて良かった。ありがとう!」
ふふっと恵真は微笑んで、ラッピングをそっと開ける大和を見守る。
「お!これって手帳?凄いなー、世界地図と、飛行機か!」
本革の小ぶりの手帳は、表紙に世界地図が彫られていて、くるりと巻いてある紐に、真鍮で作られた飛行機のチャームが付いている。
「かっこいいなー。こんなのあるんだ。凄く気に入ったよ」
そう言いながら飛行機のチャームを持って、手帳に巻いてある紐を解いた大和は、中を見て目を見開いた。
「恵真、これ…」
中はフリー台紙になっていて、恵真はそこに赤ちゃんのエコー写真を貼り、日付けや週数を書き込んでアルバムにしていた。
「うわー、なんて可愛いんだ。最高の手帳だよ!」
興奮気味の大和に、恵真は照れ笑いする。
「良かった。そんなに喜んでもらえるなんて」
「世界で一番のプレゼントだよ。ありがとう!恵真。俺、これからずっとフライトバッグに入れて持ち歩くよ」
「じゃあ、また写真が増えたら貼っていきますね」
「ああ、頼むよ。あと来月の恵真のウェディングドレスの写真もね」
「ふふ、はい」
「最高の誕生日だよ。ありがとう、恵真」
はにかんだ笑みで頷く恵真を、大和は優しく抱き寄せてキスをした。