Good day ! 3
「藤崎さん!お久しぶり。体調はどう?平気?」
「はい、大丈夫です」
「そう、良かった。でも何かあったら、すぐに教えてね」
「ありがとうございます、川原さん」

次の日。
恵真は大和の出社に合わせて、車で一緒にオフィスに来ていた。

今日から少しずつ、広報課で川原の仕事を手伝う事になっている。

「じゃあ、恵真。俺はここで。帰りはタクシーを使うんだよ」
「はい、分かりました。フライトお気をつけて」

大和は頷くと、川原に、よろしくお願いしますとお辞儀してから去っていった。

「さあ、じゃあとにかく座って。ゆっくり話をしましょう」
「はい」

恵真は川原の隣に座り、これからのことを話し合う。

「藤崎さんには、まずSNSの更新をお願いしたいの。何か告知がある時やイベントの案内がある時はそれを。なければ普段は社員の写真1枚と、簡単な文章を載せたもので大丈夫よ。本人の承諾とコメントをもらってね。これまでのコンテンツを見返して、参考にしてもらえれば。更新頻度も特に決まりはないから、藤崎さんが来られる日だけで、無理なくね」
「はい、分かりました」
「それと、これは総務の佐野さんと話していたんだけどね。新たに社内でのコミュニティを作っていきたいの」

コミュニティ…ですか?と恵真は少し首をかしげる。

「そう。働きやすい環境を整えるのが目的の一つなんだけど、要は職種を問わず、同じような人達が集まって話せる場を作りたいの」

へえ、と恵真は感心する。

「それはとても良い試みだと思います。特に入社してまだ数年の人達は、社内で気軽に話が出来る人もそんなに多くないと思いますし、何より職種を超えて交流出来れば、お互いの仕事をもっと知る事が出来ますから」

川原も笑顔で頷く。

「そうなの。それで藤崎さんにはその先駆けとして、小さなお子さんのいる社員のコミュニティを立ち上げてもらおうと思って。と言っても難しい事をする訳ではなく、全社員にお知らせをメールして、会議室で交流会を開いて欲しいの」
「それは意見交換とか、何かについて話し合うとか?」
「ううん。議題とかもなく、まあ情報交換ね。第一回は、お互いの自己紹介と、単なるおしゃべり会になると思うわ。そういう気軽な感じで大丈夫よ」
「分かりました!それなら私もとても楽しみです」
「ありがとう。お願いするわね。対象は、育児中のママだけでなく、妊娠中のママや、これから赤ちゃんが欲しいと考えている人も参加OK。もちろん、そのパートナーやパパさんもね」

恵真は大きく頷く。

「はい。では早速、日時と場所を決めて案内文を考えますね」
「ええ。ご自宅で作業してもらってもいいわよ。それに急いでないから、無理なくね」
「はい、ありがとうございます」
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