Good day ! 3
そのあとは、川原がSNSにアップする写真を撮りに行くのに同行させてもらう。
「最近、CAさんやグランドさん、整備さんと続いてたから、久しぶりに今日はパイロットの紹介にしようかなー」
そう言う川原と一緒にディスパッチルームに行く。
(わあ!ここに来るのも久しぶり)
2ヶ月来ていないだけなのに、恵真は胸に懐かしさが込み上げてきた。
カウンターの内側で忙しく行き交うディスバッチャー達、奥のモニターの前でブリーフィングをしているパイロット達…。
ざわめきの中、恵真はまるで自分だけが取り残されたような気持ちになる。
(あの中に私もいたはずなのに…)
涙が溢れそうになり、慌てて唇を噛みしめた時、あら?と川原が入り口に目を向けた。
「ちょうどいい人見つけちゃった!」
恵真にいたずらっぽく笑いかけると、スタスタと入り口に向かって歩いていく。
「佐倉キャプテン!」
えっ!と恵真が目を見開くと、同じように驚いた表情でこちらを見ている大和と目が合った。
(大和さん…かっこいい!)
久しぶりに見る大和の制服姿はとびきり素敵で、恵真は思わずぽーっと見とれる。
「佐倉キャプテン。今日コックピットにお邪魔して、SNSに載せる写真を撮ってもいいですか?」
「…え?あ、はい」
大和は恵真に気を取られつつ、川原に返事をする。
「良かった!じゃあ藤崎さんと一緒について行きますね。よろしくお願いします」
頭を下げる川原に続いて、恵真も慌ててお辞儀する。
そしてそのまま、少し離れた所からブリーフィングも見させてもらった。
コーパイは、4月から飛び始めたばかりという新人の男の子で、恵真も面識がない。
大和は一つ一つ丁寧に、ブリーフィングを指導していた。
「あら、いいわね。今回は新人くんにスポットを当てて紹介しましょうか。ブリーフィングも撮らせてくださいね」
川原は、何枚か写真を撮る。
恵真はただただ、大和のかっこよさに見とれていた。
ブリーフィングが終わると、いよいよシップに向かう。
行ってらっしゃい、とオフィスの人に見送られ、大和は、行ってきますとキリッと応えて部屋を出た。
空港ターミナルを歩いている時も、
わあ、パイロットだ!
かっこいい!
と、色んな人が大和を見てささやいている。
(な、なんて素敵な旦那様なの)
少し離れて歩きながら、恵真は顔が真っ赤になる。
やがてシップにたどり着いた。
足を1歩踏み入れた時、不覚にも恵真の目に涙が浮かぶ。
いけない、と拳をぎゅっと握りしめて堪えた。
コックピット・プリパレーションの流れも、うしろからそっと見守る。
新人の男の子は、大きな声で確認しながら、ゆっくり丁寧にコンピュータに入力していた。
間に合うかな?と恵真がハラハラしていると、外部点検を終えて戻って来た大和が、優しくフォローしている。
時間がかかった分、CAとの合同ブリーフィングを手短に終えて、またコックピットに戻る。
きっとこの先の管制官とのやり取りや、チェックリストの作業も時間がかかるだろうと思い、川原と恵真は、大和達にサムアップしてもらった写真を1枚だけ撮ると、すぐに退散する事にした。
コックピットのドアを閉めに来た大和が、出ていこうとする恵真の頭に手を置いて、恵真、と耳元でささやく。
「恵真の想いもちゃんと載せて飛ぶから」
堪えていた涙が一気に溢れそうになる。
恵真は潤んだ瞳で大和を見上げ、はいと頷いた。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
大和は恵真に微笑むと、キリッと表情を変えてドアを閉めた。
「最近、CAさんやグランドさん、整備さんと続いてたから、久しぶりに今日はパイロットの紹介にしようかなー」
そう言う川原と一緒にディスパッチルームに行く。
(わあ!ここに来るのも久しぶり)
2ヶ月来ていないだけなのに、恵真は胸に懐かしさが込み上げてきた。
カウンターの内側で忙しく行き交うディスバッチャー達、奥のモニターの前でブリーフィングをしているパイロット達…。
ざわめきの中、恵真はまるで自分だけが取り残されたような気持ちになる。
(あの中に私もいたはずなのに…)
涙が溢れそうになり、慌てて唇を噛みしめた時、あら?と川原が入り口に目を向けた。
「ちょうどいい人見つけちゃった!」
恵真にいたずらっぽく笑いかけると、スタスタと入り口に向かって歩いていく。
「佐倉キャプテン!」
えっ!と恵真が目を見開くと、同じように驚いた表情でこちらを見ている大和と目が合った。
(大和さん…かっこいい!)
久しぶりに見る大和の制服姿はとびきり素敵で、恵真は思わずぽーっと見とれる。
「佐倉キャプテン。今日コックピットにお邪魔して、SNSに載せる写真を撮ってもいいですか?」
「…え?あ、はい」
大和は恵真に気を取られつつ、川原に返事をする。
「良かった!じゃあ藤崎さんと一緒について行きますね。よろしくお願いします」
頭を下げる川原に続いて、恵真も慌ててお辞儀する。
そしてそのまま、少し離れた所からブリーフィングも見させてもらった。
コーパイは、4月から飛び始めたばかりという新人の男の子で、恵真も面識がない。
大和は一つ一つ丁寧に、ブリーフィングを指導していた。
「あら、いいわね。今回は新人くんにスポットを当てて紹介しましょうか。ブリーフィングも撮らせてくださいね」
川原は、何枚か写真を撮る。
恵真はただただ、大和のかっこよさに見とれていた。
ブリーフィングが終わると、いよいよシップに向かう。
行ってらっしゃい、とオフィスの人に見送られ、大和は、行ってきますとキリッと応えて部屋を出た。
空港ターミナルを歩いている時も、
わあ、パイロットだ!
かっこいい!
と、色んな人が大和を見てささやいている。
(な、なんて素敵な旦那様なの)
少し離れて歩きながら、恵真は顔が真っ赤になる。
やがてシップにたどり着いた。
足を1歩踏み入れた時、不覚にも恵真の目に涙が浮かぶ。
いけない、と拳をぎゅっと握りしめて堪えた。
コックピット・プリパレーションの流れも、うしろからそっと見守る。
新人の男の子は、大きな声で確認しながら、ゆっくり丁寧にコンピュータに入力していた。
間に合うかな?と恵真がハラハラしていると、外部点検を終えて戻って来た大和が、優しくフォローしている。
時間がかかった分、CAとの合同ブリーフィングを手短に終えて、またコックピットに戻る。
きっとこの先の管制官とのやり取りや、チェックリストの作業も時間がかかるだろうと思い、川原と恵真は、大和達にサムアップしてもらった写真を1枚だけ撮ると、すぐに退散する事にした。
コックピットのドアを閉めに来た大和が、出ていこうとする恵真の頭に手を置いて、恵真、と耳元でささやく。
「恵真の想いもちゃんと載せて飛ぶから」
堪えていた涙が一気に溢れそうになる。
恵真は潤んだ瞳で大和を見上げ、はいと頷いた。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
大和は恵真に微笑むと、キリッと表情を変えてドアを閉めた。