Good day ! 3
第五章 仲間との交流
「うん!いいんじゃない?とっても素敵」
「そうですか?ありがとうございます!」

2日後、出勤すると恵真は川原に交流会のお知らせを見せた。

日時は川原が調整して会議室を押さえてくれた、5月26日の午後1時からと決まった。

「じゃあこれを添付して、全社員にメールを送りましょう。シフトの関係で今回来られなくても、また次回にご参加くださいって書いて」
「分かりました」

恵真はパソコンの前に座り、早速全社員に向けて一斉送信する。

簡単なご挨拶文と、文末に送信者として
『広報課 藤崎 恵真』
と書いて送ると、不思議に思ったのか、しばらくして顔見知りの数人が広報課を覗きに来た。

「あ!ほんとに藤崎さんだ!どうしたの?」

恵真も良く知っているCAの数人が、制服姿で声をかけてくる。

「最近フライト一緒にならないから、不思議だったの。広報課に移動?そんな訳ないわよね」
「あ、えっと…」

ここまで来て、隠していても仕方ない。
恵真は妊娠している事を話す。

「えー?!そうなのね。おめでとうー!」
「佐倉キャプテンも喜んでるでしょうね」
「いやーん、お二人の赤ちゃん!楽しみー」

皆は大きな声で盛り上がる。
恵真は、周りを気にして声を潜めた。

「あ、はい。ありがとうございます。そういう訳でして、しばらく乗務停止となりました。その間、時々広報のお仕事をお手伝いさせて頂きます。よろしくお願いします」
「そうなのね。でもお二人の赤ちゃんなら、絶対可愛いわよねー」
「予定日はいつ?」

またしても盛り上がる皆に、恵真はヒヤヒヤしながら小声で話す。

「えっと、予定では11月の初旬に産まれると思います」
「そっかー!楽しみねえ。産まれたら教えてね」
「写真、楽しみにしてるね!」

あ、はい、とタジタジになる恵真に、じゃあねーと明るく手を振って、CA達は去っていった。

そんな彼女達の情報発信は、電光石火の速さだったのだろう。

次々と色んな人が恵真に会いに来て、口々におめでとうー!と笑いかける。

その度に恵真は、
ありがとうございます。
しばらくは広報で…
予定日は…
と、同じセリフを何度も繰り返していた。
< 42 / 182 >

この作品をシェア

pagetop