Good day ! 3
「えー、それでは第一回子育て交流会を始めたいと思います」
会議室に集まった社員達を前に、司会の川原が話し出す。
5月26日。
社内のコミュニティ立ち上げの第一弾として、いよいよ1回目の子育て交流会が開かれていた。
「皆様、今日はお忙しい中、ようこそお集まりくださいました。この会では、職種や年齢、経験や性別なども一切関係なく、子育てについてのおしゃべりや情報交換、お悩み相談など、とにかく自由にお話してもらえればと思っています。1回目の今日は、自己紹介から始めましょう。ではまず、藤崎さんから」
はい、と恵真は立ち上がる。
「副操縦士の藤崎です。現在妊娠4ヶ月で乗務停止中の為、広報課で川原さんのお手伝いをさせて頂いてます。初めての妊娠でしかも双子なので、戸惑う事も多く、皆様から色々教えて頂ければと思っています。どうぞよろしくお願い致します」
すると拍手よりも早く、
「え、藤崎さんの赤ちゃん双子なの?」
「待って、誰か双子ママいたわよね?」
「あ、はーい!私です。じゃあ次は私が自己紹介しますね」
と、きれいな女性が立ち上がった。
「初めまして。客室乗務員の佐々木です。4歳の男の子の双子がいます。私も藤崎さんと同じく妊娠判明と同時に空を飛ばなくなり、子どもが2歳になった時に復帰しました。当時はもう、それはそれは毎日壮絶で、どうやってこなしていたのかほとんど覚えておりません。あはは。主人が一般企業の営業職で、男性の育休なんてあってないようなものだったので、全く頼れませんでした。でもこの会社は男性社員にも、産休や育休が充実しています。藤崎さん、是非佐倉キャプテンを頼ってくださいね。それと、困った事があったらいつでも私に相談してください。あ、シフトは代わってあげられませんよ?私、操縦出来ないので」
皆も、あはは!と笑う。
「操縦以外なら、何でもお手伝いします。私も散々職場のみんなに助けてもらったから、その分、次の人達のお手伝いで恩返ししたいと思ってるの。だから何でも言ってね」
「はい!ありがとうございます。とても心強いです。よろしくお願い致します」
恵真は立ち上がって頭を下げる。
「いいですね。こんなふうに繋がってもらうのが、この会の目的でもあります。皆さん、今後とも育児の輪を広げていってくださいね」
川原が笑顔で言い、皆も頷く。
そのあとも、自己紹介の度に、あ!私もです!と同じ境遇の人が手を挙げ、連絡先を交換し合った。
同じ年齢の子どもがいる、同じ地域に住んでいる、実家が遠くて夫も頼れない、など、共通の話題で盛り上がる。
話は尽きることなく、あっという間に時間になった。
「名残惜しいですが、今日はこの辺で。第二回もすぐに企画しますね。今日来られなかった方も、次回は参加してもらえるといいなと思っています」
川原の締めの言葉で、皆は立ち上がる。
それぞれ、じゃあまた次回ね、と口にして部屋を出ていった。
「んー、いい感じじゃない?ね?藤崎さん」
「はい!私もとっても楽しかったです。先輩ママのお話はどれもためになりますし、もっともっと聞きたいです」
「そうね。また来月も開催しましょう」
「はい!」
恵真は早速今日の話をまとめて、お便りとして発行する事にした。
(よし、お便り作りも頑張るぞ!)
気合いを入れて、会議室をあとにした。
会議室に集まった社員達を前に、司会の川原が話し出す。
5月26日。
社内のコミュニティ立ち上げの第一弾として、いよいよ1回目の子育て交流会が開かれていた。
「皆様、今日はお忙しい中、ようこそお集まりくださいました。この会では、職種や年齢、経験や性別なども一切関係なく、子育てについてのおしゃべりや情報交換、お悩み相談など、とにかく自由にお話してもらえればと思っています。1回目の今日は、自己紹介から始めましょう。ではまず、藤崎さんから」
はい、と恵真は立ち上がる。
「副操縦士の藤崎です。現在妊娠4ヶ月で乗務停止中の為、広報課で川原さんのお手伝いをさせて頂いてます。初めての妊娠でしかも双子なので、戸惑う事も多く、皆様から色々教えて頂ければと思っています。どうぞよろしくお願い致します」
すると拍手よりも早く、
「え、藤崎さんの赤ちゃん双子なの?」
「待って、誰か双子ママいたわよね?」
「あ、はーい!私です。じゃあ次は私が自己紹介しますね」
と、きれいな女性が立ち上がった。
「初めまして。客室乗務員の佐々木です。4歳の男の子の双子がいます。私も藤崎さんと同じく妊娠判明と同時に空を飛ばなくなり、子どもが2歳になった時に復帰しました。当時はもう、それはそれは毎日壮絶で、どうやってこなしていたのかほとんど覚えておりません。あはは。主人が一般企業の営業職で、男性の育休なんてあってないようなものだったので、全く頼れませんでした。でもこの会社は男性社員にも、産休や育休が充実しています。藤崎さん、是非佐倉キャプテンを頼ってくださいね。それと、困った事があったらいつでも私に相談してください。あ、シフトは代わってあげられませんよ?私、操縦出来ないので」
皆も、あはは!と笑う。
「操縦以外なら、何でもお手伝いします。私も散々職場のみんなに助けてもらったから、その分、次の人達のお手伝いで恩返ししたいと思ってるの。だから何でも言ってね」
「はい!ありがとうございます。とても心強いです。よろしくお願い致します」
恵真は立ち上がって頭を下げる。
「いいですね。こんなふうに繋がってもらうのが、この会の目的でもあります。皆さん、今後とも育児の輪を広げていってくださいね」
川原が笑顔で言い、皆も頷く。
そのあとも、自己紹介の度に、あ!私もです!と同じ境遇の人が手を挙げ、連絡先を交換し合った。
同じ年齢の子どもがいる、同じ地域に住んでいる、実家が遠くて夫も頼れない、など、共通の話題で盛り上がる。
話は尽きることなく、あっという間に時間になった。
「名残惜しいですが、今日はこの辺で。第二回もすぐに企画しますね。今日来られなかった方も、次回は参加してもらえるといいなと思っています」
川原の締めの言葉で、皆は立ち上がる。
それぞれ、じゃあまた次回ね、と口にして部屋を出ていった。
「んー、いい感じじゃない?ね?藤崎さん」
「はい!私もとっても楽しかったです。先輩ママのお話はどれもためになりますし、もっともっと聞きたいです」
「そうね。また来月も開催しましょう」
「はい!」
恵真は早速今日の話をまとめて、お便りとして発行する事にした。
(よし、お便り作りも頑張るぞ!)
気合いを入れて、会議室をあとにした。