Good day ! 3
「恵真?そろそろ出来た?」
1時間後に戻って来た大和は、控え室に入るなり、驚いたように目を見開いた。
「恵真…」
髪をアップにして煌めくティアラを載せ、はにかんだ笑顔で目を伏せている恵真は、清らかな透明感が溢れ、息を呑むほど美しい。
まだメイクの仕上げの途中で、ドレスはこれから着替えるとの事だったが、大和はひと足先に着替えて、チャペルで待つことにした。
大和の髪型を整えたヘアメイクの女の子が、「花嫁様のドレス姿、楽しみにしていてくださいね!」と笑って、大和を送り出す。
「さあ!では花嫁様。ドレスに着替えましょうか」
「はい」
恵真は立ち上がり、着てきたワンピースを脱いでそっとドレスに身を包む。
「ひゃー!美しすぎるー!」
自分でメイクしたというのに、女の子は恵真のドレス姿に感激して頬を押さえている。
胸元にキラキラと輝くネックレス、耳にも軽く揺れるイヤリングを着けて、最後に長いベールをふんわりと載せてもらうと、いよいよ恵真の気持ちも高まってきた。
「ではそろそろお時間です。チャペルに向かいましょう」
介添えのスタッフに声をかけられ、恵真は真っ白なブライダルシューズを履いた。
手袋をはめると、流れるようなラインの豪華なクレッセントブーケを手に控え室を出る。
ゆっくりと中庭を横切って歩いていくと、チャペルの扉の前で父親がモーニングコート姿で待っていた。
「恵真、びっくりするほど化けたな」
「ちょっと、お父さん!」
「ははは!誰もお前が、普段はネクタイにスラックスで操縦桿を握ってるとは思わんだろうな」
「確かに。なんだか私も不安だな。変じゃない?大丈夫かな?」
すると父は、ふっと笑いかけてきた。
「最高にきれいだよ、恵真。小さい頃は、大人しくて引っ込み思案で、親としては心配だった。なのにいつの間にかしっかり者、いや、それどころか頑固者になって、ある日いきなりパイロットになるなんて言い出した。あの時、父さんと母さんは、お前の手を離そうって決めたんだ。恵真は自分の力で羽ばたける子だって。本当にその通りになったな。そして、こんなにも輝く女性になった。恵真、これからは大和さんとしっかり手を取り合って、二人で幸せになるんだぞ」
「お父さん…ありがとう」
恵真は涙で声を詰まらせた。
1時間後に戻って来た大和は、控え室に入るなり、驚いたように目を見開いた。
「恵真…」
髪をアップにして煌めくティアラを載せ、はにかんだ笑顔で目を伏せている恵真は、清らかな透明感が溢れ、息を呑むほど美しい。
まだメイクの仕上げの途中で、ドレスはこれから着替えるとの事だったが、大和はひと足先に着替えて、チャペルで待つことにした。
大和の髪型を整えたヘアメイクの女の子が、「花嫁様のドレス姿、楽しみにしていてくださいね!」と笑って、大和を送り出す。
「さあ!では花嫁様。ドレスに着替えましょうか」
「はい」
恵真は立ち上がり、着てきたワンピースを脱いでそっとドレスに身を包む。
「ひゃー!美しすぎるー!」
自分でメイクしたというのに、女の子は恵真のドレス姿に感激して頬を押さえている。
胸元にキラキラと輝くネックレス、耳にも軽く揺れるイヤリングを着けて、最後に長いベールをふんわりと載せてもらうと、いよいよ恵真の気持ちも高まってきた。
「ではそろそろお時間です。チャペルに向かいましょう」
介添えのスタッフに声をかけられ、恵真は真っ白なブライダルシューズを履いた。
手袋をはめると、流れるようなラインの豪華なクレッセントブーケを手に控え室を出る。
ゆっくりと中庭を横切って歩いていくと、チャペルの扉の前で父親がモーニングコート姿で待っていた。
「恵真、びっくりするほど化けたな」
「ちょっと、お父さん!」
「ははは!誰もお前が、普段はネクタイにスラックスで操縦桿を握ってるとは思わんだろうな」
「確かに。なんだか私も不安だな。変じゃない?大丈夫かな?」
すると父は、ふっと笑いかけてきた。
「最高にきれいだよ、恵真。小さい頃は、大人しくて引っ込み思案で、親としては心配だった。なのにいつの間にかしっかり者、いや、それどころか頑固者になって、ある日いきなりパイロットになるなんて言い出した。あの時、父さんと母さんは、お前の手を離そうって決めたんだ。恵真は自分の力で羽ばたける子だって。本当にその通りになったな。そして、こんなにも輝く女性になった。恵真、これからは大和さんとしっかり手を取り合って、二人で幸せになるんだぞ」
「お父さん…ありがとう」
恵真は涙で声を詰まらせた。