Good day ! 3
「えっと、大和さん。これから一体どこへ?」
「すぐ分かるよ」
え?と首をかしげながら窓の外を眺めているうちに、恵真はだんだん驚きを隠せなくなった。
「や、大和さん?まさか、ここって」
目の前に、大きく迫ってくるもの。
それは………
「さあ、着いたよ。降りよう」
大和がドアの外から恵真に手を差し伸べる。
高ぶる気持ちを必死で抑えながら、恵真はゆっくりと車から降り立った。
目の前には、大きな大きな、そして大好きな………
「大和さん…どうして」
恵真は涙が込み上げてきて、それ以上言葉を続けられない。
なぜなら、あんなにも焦がれて、乗りたくて、操縦したくてたまらなかった、大好きな飛行機が目の前にあったから。
「昨日、部長から連絡があったんだ。ハンガーに787が停まってるから、記念撮影しに来たらいいよって」
「え、しゃ、写真を?」
「そう。ホテルの人に話して、お願いしたんだ。ほら」
大和の視線を追って振り向くと、もう一台の車からカメラマンとヘアメイクの女の子が降りてきた。
「うわー、凄い!迫力あるー!」
「これはもう、シャッター切る手が止まりそうにない」
カメラマンと女の子は、興奮して飛行機を見上げている。
「恵真、大好きなもう一人の恋人と一緒に撮りたいだろ?」
大和はいたずらっぽく笑ってみせる。
「私の、大好きな…」
恵真はゆっくりと飛行機に近づいた。
触れたくて、乗りたくて、でも我慢していた大好きな飛行機。
そっとエンジンカバーに手を触れる。
丸みのある白くて大きなエンジンカバー。
ナセルという樽型のその端は、騒音を低減する為にギザギザになっている。
恵真は、シェブロン・ノズルと呼ばれるその形を、ゆっくりと手でなぞった。
そしてすらりと左右に伸びた主翼を見上げる。
シャープで、しなやかな形。
翼の先端を後方に折り曲げるようにして伸ばした、レイクドウイングチップ。
まるで空を飛ぶ鳥のような、計算され尽くした美しい翼。
(なんてきれいなのかしら…)
ハイテク技術が詰め込まれた最新の機体は、空に飛び立つと美しい自然の風景に溶け込む。
そんな感覚になるこの機種の操縦が、恵真は大好きだった。
手を伸ばし、ボディに触れて目を閉じる。
心の中に蘇る、コックピットからの景色。
(またいつか、必ず戻るから。待っていてね)
ふっと微笑んでから目を開けると、隣で大和が優しく見守ってくれていた。
「ちゃんと話せた?」
「うん!待っていてねって」
「そっか」
二人で微笑み合った時、うしろから誰かが近づいてくる足音がした。
「すぐ分かるよ」
え?と首をかしげながら窓の外を眺めているうちに、恵真はだんだん驚きを隠せなくなった。
「や、大和さん?まさか、ここって」
目の前に、大きく迫ってくるもの。
それは………
「さあ、着いたよ。降りよう」
大和がドアの外から恵真に手を差し伸べる。
高ぶる気持ちを必死で抑えながら、恵真はゆっくりと車から降り立った。
目の前には、大きな大きな、そして大好きな………
「大和さん…どうして」
恵真は涙が込み上げてきて、それ以上言葉を続けられない。
なぜなら、あんなにも焦がれて、乗りたくて、操縦したくてたまらなかった、大好きな飛行機が目の前にあったから。
「昨日、部長から連絡があったんだ。ハンガーに787が停まってるから、記念撮影しに来たらいいよって」
「え、しゃ、写真を?」
「そう。ホテルの人に話して、お願いしたんだ。ほら」
大和の視線を追って振り向くと、もう一台の車からカメラマンとヘアメイクの女の子が降りてきた。
「うわー、凄い!迫力あるー!」
「これはもう、シャッター切る手が止まりそうにない」
カメラマンと女の子は、興奮して飛行機を見上げている。
「恵真、大好きなもう一人の恋人と一緒に撮りたいだろ?」
大和はいたずらっぽく笑ってみせる。
「私の、大好きな…」
恵真はゆっくりと飛行機に近づいた。
触れたくて、乗りたくて、でも我慢していた大好きな飛行機。
そっとエンジンカバーに手を触れる。
丸みのある白くて大きなエンジンカバー。
ナセルという樽型のその端は、騒音を低減する為にギザギザになっている。
恵真は、シェブロン・ノズルと呼ばれるその形を、ゆっくりと手でなぞった。
そしてすらりと左右に伸びた主翼を見上げる。
シャープで、しなやかな形。
翼の先端を後方に折り曲げるようにして伸ばした、レイクドウイングチップ。
まるで空を飛ぶ鳥のような、計算され尽くした美しい翼。
(なんてきれいなのかしら…)
ハイテク技術が詰め込まれた最新の機体は、空に飛び立つと美しい自然の風景に溶け込む。
そんな感覚になるこの機種の操縦が、恵真は大好きだった。
手を伸ばし、ボディに触れて目を閉じる。
心の中に蘇る、コックピットからの景色。
(またいつか、必ず戻るから。待っていてね)
ふっと微笑んでから目を開けると、隣で大和が優しく見守ってくれていた。
「ちゃんと話せた?」
「うん!待っていてねって」
「そっか」
二人で微笑み合った時、うしろから誰かが近づいてくる足音がした。