Good day ! 3
「うわあ…」
二人で声を揃えてうっとりする。
タキシードとウェディングドレス姿の二人が、腕を組んでにこやかに微笑んでいる。
「えっ、素敵!実物よりも何割か増しで素敵!」
「あはは!何だよ、それ」
恵真の感想に大和が笑い出す。
「だってほんとにそう思うんだもん。プロの腕って凄いですね」
「確かに。じゃあ他のも見てみようよ」
「はい!」
別の台紙を開くと、両家の両親との集合写真が入っていた。
「みんないい笑顔!」
「ああ、そうだな。早速両家に送ろう」
「ええ」
そしていよいよ、アルバムを手にする。
大和はふう、とひとつ深呼吸してから、そっとページをめくった。
「わあ…」
声にならないため息が漏れる。
控え室での様子から始まり、結婚式を時間と共に振り返っていく。
鏡に映る、ヘアメイクを整えた恵真のきれいな横顔や、恵真に見とれる大和。
手にしたブーケに顔を寄せて微笑む恵真。
チャペルの扉の前で、父と腕を組むうしろ姿を捉えた一枚。
あの日のあの瞬間の気持ちが蘇り、恵真は思わず目を潤ませる。
バージンロードを歩き始めた恵真を、優しく見つめる大和の眼差し。
父がそっと恵真の手を大和に託す瞬間。
向かい合い、互いに見つめ合って微笑む二人。
指輪を交換し、ベールを上げ…
そっと口づける二人。
どれもこれもが美しく心震える瞬間を捉えていた。
ロビーの大階段では、恵真のドレスのトレーンが波打つように広がり、恵真に手を差し伸べる大和との写真はまるで映画のワンシーンのようだ。
やがて二人は、アルバムの最後のページをめくる。
そこには。
「す、凄い…」
思わず二人は言葉を失う。
見開きいっぱいに大きく写る飛行機と、その前に集まった笑顔の仲間達。
「なんて素敵なの…」
恵真の瞳に涙が溢れる。
大好きな飛行機、大好きな仲間達、そして大好きな人…
自分にとっての幸せが、この一枚にぎゅっと凝縮されていた。
こんなにも輝く場所があるのだ。
自分はそこにいられるのだ。
そのことが、恵真の心の中に、喜びとなって広がっていく。
涙をこぼす恵真の肩を、大和がそっと抱き寄せた。
恵真は照れたように大和に笑いかけてから、大和の肩に頭をもたれさせる。
幸せを噛みしめながら二人でアルバムを見つめていると、ふいに、あっ…と恵真が声を上げた。
「大和さん、今…」
「えっ、どうしたの?」
「動いたの、お腹の赤ちゃんが!」
ええ?!と大和は身体を起こし、恵真のお腹に手を当てる。
「分かったの?動いたのが」
「うん。この辺りで」
恵真は大和の手を取って、お腹の右側に持ってくる。
じっと二人で息を潜めた。
「あ!」
二人同時に声を上げて、顔を見合わせる。
「今、ピクってしたよな?」
「ええ!」
「凄い!凄いよ、恵真。赤ちゃんが、恵真のお腹の中で動いてる!」
興奮したあと、大和は恵真のお腹に顔を寄せ、再び手を当ててじっとしている。
「あ、また!今のそうだよな?」
「ええ、動きました」
「凄いなあ。おーい、パパとママの声、聞こえるかー?」
「ふふっ。きっと聞こえてると思います」
「元気に大きくなるんだよー。会えるのを楽しみにしてるからねー」
大和は恵真のお腹に呼びかけてから、愛おしそうになでる。
恵真も微笑んで、大和と手を重ねた。
初めての胎動の瞬間を分かち合えたことに感謝しながら、二人はいつまでも感動の余韻に浸っていた。
二人で声を揃えてうっとりする。
タキシードとウェディングドレス姿の二人が、腕を組んでにこやかに微笑んでいる。
「えっ、素敵!実物よりも何割か増しで素敵!」
「あはは!何だよ、それ」
恵真の感想に大和が笑い出す。
「だってほんとにそう思うんだもん。プロの腕って凄いですね」
「確かに。じゃあ他のも見てみようよ」
「はい!」
別の台紙を開くと、両家の両親との集合写真が入っていた。
「みんないい笑顔!」
「ああ、そうだな。早速両家に送ろう」
「ええ」
そしていよいよ、アルバムを手にする。
大和はふう、とひとつ深呼吸してから、そっとページをめくった。
「わあ…」
声にならないため息が漏れる。
控え室での様子から始まり、結婚式を時間と共に振り返っていく。
鏡に映る、ヘアメイクを整えた恵真のきれいな横顔や、恵真に見とれる大和。
手にしたブーケに顔を寄せて微笑む恵真。
チャペルの扉の前で、父と腕を組むうしろ姿を捉えた一枚。
あの日のあの瞬間の気持ちが蘇り、恵真は思わず目を潤ませる。
バージンロードを歩き始めた恵真を、優しく見つめる大和の眼差し。
父がそっと恵真の手を大和に託す瞬間。
向かい合い、互いに見つめ合って微笑む二人。
指輪を交換し、ベールを上げ…
そっと口づける二人。
どれもこれもが美しく心震える瞬間を捉えていた。
ロビーの大階段では、恵真のドレスのトレーンが波打つように広がり、恵真に手を差し伸べる大和との写真はまるで映画のワンシーンのようだ。
やがて二人は、アルバムの最後のページをめくる。
そこには。
「す、凄い…」
思わず二人は言葉を失う。
見開きいっぱいに大きく写る飛行機と、その前に集まった笑顔の仲間達。
「なんて素敵なの…」
恵真の瞳に涙が溢れる。
大好きな飛行機、大好きな仲間達、そして大好きな人…
自分にとっての幸せが、この一枚にぎゅっと凝縮されていた。
こんなにも輝く場所があるのだ。
自分はそこにいられるのだ。
そのことが、恵真の心の中に、喜びとなって広がっていく。
涙をこぼす恵真の肩を、大和がそっと抱き寄せた。
恵真は照れたように大和に笑いかけてから、大和の肩に頭をもたれさせる。
幸せを噛みしめながら二人でアルバムを見つめていると、ふいに、あっ…と恵真が声を上げた。
「大和さん、今…」
「えっ、どうしたの?」
「動いたの、お腹の赤ちゃんが!」
ええ?!と大和は身体を起こし、恵真のお腹に手を当てる。
「分かったの?動いたのが」
「うん。この辺りで」
恵真は大和の手を取って、お腹の右側に持ってくる。
じっと二人で息を潜めた。
「あ!」
二人同時に声を上げて、顔を見合わせる。
「今、ピクってしたよな?」
「ええ!」
「凄い!凄いよ、恵真。赤ちゃんが、恵真のお腹の中で動いてる!」
興奮したあと、大和は恵真のお腹に顔を寄せ、再び手を当ててじっとしている。
「あ、また!今のそうだよな?」
「ええ、動きました」
「凄いなあ。おーい、パパとママの声、聞こえるかー?」
「ふふっ。きっと聞こえてると思います」
「元気に大きくなるんだよー。会えるのを楽しみにしてるからねー」
大和は恵真のお腹に呼びかけてから、愛おしそうになでる。
恵真も微笑んで、大和と手を重ねた。
初めての胎動の瞬間を分かち合えたことに感謝しながら、二人はいつまでも感動の余韻に浸っていた。