Good day ! 3
寝る支度をし、ベッドに横になった恵真は、ホノルルのシーライフ・パークで買った大きなイルカのぬいぐるみを抱きしめてゴロゴロする。

「良かったー!みんなの予定が大丈夫で、無事に式場の予約も取れて。しかも日取りは私達の記念日!」

あれから両親に電話をかけた二人は、どちらからもOKの返事をもらい、すぐに式場に連絡したのだった。

「おっ、ようやく恵真も楽しみになってきた?結婚式」
「うん!」

嬉しそうに笑う恵真を抱きしめようとして、大和は途中で腕を止めた。

恵真にぴったり寄り添いたいのに、恵真は大きなイルカを抱いていて密着出来ない。

「恵真…このイルカ離して」
「えー、どうして?」

恵真は不服そうに口をとがらせて、ますますイルカをぎゅっと抱きしめる。

「だって、恵真に抱きついていいのは俺だけだぞ?」
「またそんなこと言って。大和さんもこの間私のこと、サンタクロースにヤキモチ焼いてるって、からかったじゃないですか」
「うっ、それは…」
「それにほら!こんなに可愛いつぶらなお目々のイルカちゃんに、そんなこと言えますか?」

恵真はイルカの顔を大和に向ける。

にっこり笑ったイルカに見つめられ、大和は仕方なく諦めた。

「分かったよ。じゃあ…おやすみ。恵真」

イルカごと恵真を抱きしめて、額にキスをする。

「おやすみなさい。大和さん」

恵真は大和に微笑んでから目を閉じた。
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