Good day ! 3
第九章 倒れた彩乃
8月になり、恵真は妊娠7ヶ月目に入った。

特にトラブルもなく、2週間ごとの健診では、いつも問題なしと言われる。

「ここまで順調な双子ママも珍しいわね。ママの身長も高いから、赤ちゃんも伸び伸びしてて元気そうだし」

管理入院も、今のところは必要ないと言われ、恵真は安心する。

「佐倉さんの場合、ニつの胎盤、ニつのお部屋を持つニ絨毛膜ニ羊膜双胎、いわゆるDD双胎です。双子のリスクとしては低くなるけれど、リスクがある事には変わりありません。血圧は毎日おうちで計って、異常があればすぐに電話してくださいね」
「はい、分かりました」

エコー写真をもらって診察室を出る。

全身が写真に収まり切らない程、赤ちゃんは大きくなっていた。

胎動も、一人はよく動き、もう一人はあまり動かないといった違いが分かり、時折しゃっくりするのも感じられる。

恵真はその度に大和を呼んで、二人でお腹に手を当て、しゃっくりする赤ちゃんの様子に微笑んだ。

仕事も無理のない範囲で続けている。

子育て交流会は毎回盛会で、メンバーも徐々に増え、恵真が配信する手書きのお便りを楽しみにしているという声も聞かれた。

大和の勤務日数が7割な分、二人でゆっくりと過ごす時間が増え、恵真は心身共に落ち着いた妊娠生活を送れている事に感謝していた。
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