Good day ! 3
「はい、恵真。ミルクティー」
「ありがとうございます!」

夕食後にお茶を飲みながら、二人はソファでくつろぐ。

(はあー、とにかくバレずに済んで良かった)

自分が大和の結婚相手だと知られずに、無事にイベントが終わった事にホッとする。

大和の淹れてくれた美味しいミルクティーを味わいながら、恵真は今日撮った写真を見返していた。

(大和さん、かっこ良かったなあ。パイロットの制服姿もキリッとしてるし。それに子ども達にあんなに真剣に向き合って、優しく質問にも答えて…)

今日の様子を思い出し、恵真はぽーっと夢見心地になる。

(知らなかった。大和さんって、あんなにも子どもに優しいのね)

お腹の子ども達にも、きっとあんなふうに優しく話しかけるのかな…

想像した恵真は、頬を両手で押さえながら照れ笑いする。

(楽しみだな。素敵なパパの大和さん。ふふっ)

すると隣から、遠慮がちな大和の声がした。

「あの、恵真?さっきから、真顔になったり急にニヤけたり…。ちょっと、怖いんだけど…」

えっ!と恵真は、真っ赤になって仰け反る。

「やだ!もう、見ないでください」
「どうして?」
「だって、恥ずかしいもん」

そう言って両手で顔を押さえる恵真を、大和はぎゅっと抱きしめた。

「や、大和さん?」
「こんなに可愛い恵真の顔を見ないなんて、そんなのできっこない」

うっ、と恵真は言葉を詰まらせる。

「あの、もう、本当に恥ずかしいので」
「ふうん。じゃあいいよ。恵真が寝たあと、じっくり寝顔を堪能するから」

ふふんと笑う大和に、恵真は息を呑んでますます顔を赤らめた。
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