例えばその夕焼けがどれだけ綺麗だとしても


「あれ、どーゆー意味?」

「…………」

「俺のこと嫌いだったら、引き止めることなかったよな?」

「…………」

「脈ありって思ってもいいわけ?」


沙耶は何と答えていいやら、思考がぐるぐるする中で、自分の胸の音が、激しく鳴っているのに気付いて益々動揺する。

ーーふたつ。。

自分のだけではないということを知ると、胸が掴まれたみたいにもっとぎゅっとなって、息苦しさが増した。



「約束守る気あんの?」


あまりのだんまりに、流石に痺れを切らしたのか、そっと身体を離した石垣が、じたばたを止めた沙耶の目を見つめた。

こんな状態、沙耶が耐えられる筈もなく。



「いっ、しがきは、、知ってた?あの約束は二重だったって!」


「ーー二重?」



恐らく、言わない方が良かった事実を口走った。



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