例えばその夕焼けがどれだけ綺麗だとしても
「何言ってんだよ、姉ちゃん。父さんは梟王で働いてたことがあったじゃんか。」
駿がにべもなく答える事実は、沙耶にとって驚愕の事実だった。
「な、え?どういうこと?どうして?うちのお父さんは、時計つくってたんじゃなかったの?技術職だったよね?」
「そうだよ?カデンテでね。カデンテは梟王にも入ってるし。」
狼狽える沙耶に、駿は何当たり前の事を言ってんだよ、とばかりに呆れ顔だ。
「お父さんは販売には回ってないはずじゃないの?」
父と梟王が繋がるなんて。
沙耶は微塵も予想していなかった。
「うん、そうだよ。でも、昔梟王のカデンテに入ってた時期があった。俺、一回だけ店に連れてってもらったことあるもん。かなり小さい頃だけど。」
「何それ、、、私知らない。」
「姉ちゃんは、知らないよ。学校行ってた時だもん。」