忘れられない夏がすぐそこに。


「あ、光希くん。佐々木光信さんとこのお孫さんだよ。私たちと同い年」

「あ、あー!光信さんとこの!え、すげーめっちゃイケメンだな!あ、俺、純って言います。実里とは幼馴染み、よろしく」


相変わらず声の大きな純。


「ども」


光希くんもぺこっと会釈した。


「実里、カップラーメン食わせて。腹減った」

「もーまたお昼食べずに遊んでたの?お湯沸いてるから好きなの選んで来て」

「さんきゅ。今日部活休みだから朝から海行ってきたわー」


そんなことを言いながらカップ麺を選びに行った純。よくここでカップ麺を買って、食べて帰るんだ。


「ごめんね、光希くん。騒がしくて」

「・・・・・・いや。・・・仲良いんだな」

「あー、小さい時から一緒だからね。もう家族みたいな感じだよ」

「・・・・・・そっか」


純がカップ焼きそばを持って戻って来るなりお湯を入れてあげると、出来上がったものを光希くんの横に椅子を持ってきて食べ始めた。


普通のお店じゃ、レジでこんなこと許されないけどね。


「あー、うめー。あ、えっと、光希、だっけ?実里と知り合い?」

「お客さんとして来てくれて、仲良くなったの」

「へーそおなんだ。お、じゃあさ、みんなで夜、花火しねぇ?」

「え!花火!?やりたいやりたいっ」


今年初めての花火に、思わず身を乗り出してしまった。
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