忘れられない夏がすぐそこに。
「光希はどう?来る?」
「行く」
光希くんはこういうの嫌かもと思ったけど、意外にも即答だった。
「お、じゃあ決まりだな!花純も呼ぶか!いつにする?」
「花純(かすみ)ちゃん久しぶりだなぁ。楽しみっ。光希くんはいつが良い?」
「・・・オレ、明後日東京帰る」
え・・・
その言葉に胸がズキっと痛んだ。
もう帰っちゃうの・・・
「マジか!じゃあ、明日の夜にすっか!こっち最後の夜だもんな!」
一気に沈んでいる私とは対照的に変わらず元気な純は楽しそうにあっさりと日程を決めてしまった。
明後日・・・帰るんだ。
もう、会えなくなるんだ・・・
悲しみと寂しさと言いようのない気持ちが私の胸をぎゅーっと締め付けた。