忘れられない夏がすぐそこに。

花火、別れ、キス




そして、ついに来てしまった花火の日。


光希くんが明日帰ってしまうと思うと、やっぱり憂鬱だけど、一緒に花火ができると思うとそれはそれで楽しみだ。


せっかくだから、楽しまなきゃね。


いつもよりメイクも丁寧にして、髪は何度もブラッシングした。


黒地に白いドット柄の、肩のところがフリルになっているノースリーブブラウス。そして、デニムのショーパンに白いサンダル。


いつもだったら絶対Tシャツ短パンにビーサンだったのに。


ちょっとでも可愛いと思われたい気持ちが身体を勝手に動かしていた。




「お!実里来たな!もう準備できてるぞー!」

「みのりちゃーん!久しぶりぃ!」

「・・・・・・」


海に着いて砂浜に降りると、もうみんな揃っていた。
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