忘れられない夏がすぐそこに。
「ごめん、待たせたかな」
「大丈夫だよっ。なんか今日のみのりちゃんすごく可愛いっ!」
そう言って抱きついてきたのは、純の妹の花純(かすみ)ちゃん。
「そ、そうかな?ありがとう」
「実里どうした?いつもTシャツ短パンにビーサンだろ」
「ちょっとお兄ちゃん!もぅほんとにデリカシーないんだから。これだから田舎の男は・・・。ねー?光希さんっ」
首を傾げて光希くんに話しかける花純ちゃん。やっぱりフレンドリーな花純ちゃんは誰とでも打ち解けるの早いな・・・。
仕草も女の子って感じで可愛い。
羨ましい気持ちとちょっとモヤっとした気持ちが入り混じる。
そんな中、光希くんは黙ってろうそくに火をつけていた。
「わー!綺麗ー!」
手持ち花火も全部終わり、最後の噴き出し花火に火を付けたところ。
ふわふわとした金色の火花が優しく噴き出している。
綺麗・・・
もう、これで終わりなんだ・・・
・・・・・・あっという間だったな。
金色の火花が余計に悲しくさせた。