忘れられない夏がすぐそこに。
「実里、送って行こうか?」
「お兄ちゃんは私と帰るよ!実里ちゃんは光希さんが送ってくれるからっ」
「いや、でもっ」
「ほら!いいから!行くよ!」
「っおい!なんだよっ。じゃ、じゃあな!光希!また遊びに来いよー!」
花純ちゃんに腕を引かれて、純は手を振りながら行ってしまった。
満月に照らされた静かな海に二人。
もうこれでお別れか・・・
最後くらい元気でお別れしないとね。
「じゃあ、私たちも帰「なぁ、もうちょっと話して行かね?」
光希くんはどこから出したのか線香花火を顔の前で振って微笑んだ。
「う、うんっ」