忘れられない夏がすぐそこに。
「高2」
「へ?」
「それ」
金髪くんは私がさっき横に押し退けた課題のノートを見ていた。
「ああ、はい。高2です」
「タメだな」
「え。そうなんですか?」
「・・・見えない?」
「はい・・・すいません、年上かと思ってました」
「・・・いいよ、よく言われるし。・・・・・・そこ、座ってもいい?」
そう言って金髪くんが指差したのは、レジカウンターの前に置いてある椅子。
私から見てカウンターを挟んで斜め前。
近所の人たちがたまに座って話していくから、それ用に置いてある。
「あ・・・、どうぞ」
「ここで飲んでもいい?」
「はい、大丈夫です」
私がそう言うと、金髪くんは椅子に腰掛けプシュッとコーラを開けた。
コーラ特有の甘い香りが漂って来る。
金髪くんは、それをゴクゴクと飲み出した。
見てくださいと言わんばかりに曝け出された喉仏がゴクゴクと動き、思わず見惚れてしまう。
「・・・ん?」
見ていたのがバレて慌てて目を逸らした。