忘れられない夏がすぐそこに。
それから、金髪くんは毎日のように店に来るようになった。
名前は"佐々木光希(みつき)"くんというらしい。
光希くんはいつも500mlのジュースを1本買って、椅子に座ってしばらく話して帰る。
たぶん、光希くんは口数が多い方じゃないクールな男の子なんだと思うけど、私の話をちゃんと聞いてくれるし、たまに笑ってくれる。
私はその笑顔がすごく好きだった。
笑ってくれる度に、胸がドキドキと高鳴る。
光希くんが店に来てくれることが最近の毎日の楽しみになっていた。
光希くんと出会って2週間が経ったある日。
今日も光希くんが来てくれて、椅子に座って話をしていた。
チリンチリンッ
「ちーっす!実里ー!いるかー?」
そう言って店に入って来たのは、幼馴染みの大崎純(おおさき じゅん)。
野球部で、短髪にこんがり日焼けした肌が馴染んでいる元気で活発な男の子。
「純、いらっしゃい」
「おう・・・・・・って、だれ」
純は、光希くんを見て立ち止まった。