夏祭りの約束

帰り道

「音、一緒に帰ろー!」
「あ、立夏。」
 校門を出たところで追いついてきた彼女は友達の立夏だ。中学三年に仲良くなってから二年のつきあいになる。
「やっと休みだよ!今週も長かったなぁ」と立夏が疲れたように言った。
「長かったね。今日の英語の小テストどうだった?」
瞬間立夏の顔が曇った。
「全然分からなかった…」
「そうだ!ねぇ音、明後日ある夏祭り一緒に行かない?」
 誤魔化すように立夏がそう続けた。
「夏祭り?近くの神社で毎年やってるやつ?」
「そうそう!去年受験でいけなかったし、一緒に行きたいなぁって思って。」
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