桜散る日に
「美香ちゃんをいじめる奴は許せないけど、そんな奴ら無視すればいいんだよ。勝手に騒いでろって感じにね。」
あなたはそう言ってニヤっと笑ってみせました。
「でも…やっぱり友達がいないと寂しいですよ。」
「いじめるような奴は本当の友達なんかじゃないよ。美香ちゃんには僕がいるだろ。」
「…そうですよね。」
「絶対にいじめられただけで死のうなんて考えないでね。最近は自殺する人が多いけど…死んだ後ってすごく…辛いんだよ。」
そのときのあなたはとても悲しそうでした。
「私は祐司さんがいるだけで大丈夫です。」
「そう言ってくれると嬉しいよ。…でも、どうしていじめられてるの?」
「それは…こんな格好を…してるからです…。」
私は自分の髪と顔を指差して言いました。
「そうだったんだ…。ごめんね。僕のせいだね。」
「いいですよ。この格好好きでやってるんですから。」
私はあなたの謝る姿が見たくなくて嘘をつきました。