桜散る日に

私はベンチに座るあなたを見つけました。

「美香、どうしたの?」

「祐司…私のお兄ちゃんなの?」

私がそう言うとあなたは目を丸くしていましたね。

「美香…?」

「答えてよ!!私のお兄ちゃんなの?そうなの?」

私は気が動転して大声を出していました。

「…バレちゃったね。」

「…じゃぁあなたは誰なの?…お兄ちゃんは死んだはずでしょ…?」

「…とっくの前に死んだよ…。僕は…。」

あなたはそう言って私に手を伸ばしました。私はそれを振り払うようにして後ずさりしました。

そのとき…

「美香!!危ない!!」

あなたは私を突き倒しました。私は振り返って祐司を見てみると横からくる自転車にぶつかる寸前でした。

「祐司!!」

私がそう叫んだときでした。あなたの体は向かってくる自転車をすり抜けていたのです。

「…そう、僕は幽霊なんだ…。」

「うそ…。」

私はその場から逃げるようにして走りました。
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