極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「そんなコンテストがあるのか。賞を獲ったらレシピ本を翻訳できるとか?」
「最優秀賞の方はそうだったんですけど、私は残念ながら優秀賞で」
「それは惜しかったなぁ」
奏斗はまるで自分のことかのように悔しそうな顔をした。その表情に二葉は笑みを誘われる。
そんなふうに奏斗が何気ない話題を振ってくれるので、ロンドンでアフタヌーンティーをしていたときのように、なんの気まずさもなく食事を終えた。
「おいしかったです。ごちそうさまでした」
二葉が箸を置くと、奏斗は二人分の食器を持って立ち上がった。
「食べてくれてありがとう。一人で食べきれない量のそうめんをもらったから、助かったよ」
「そんな。こちらこそ作っていただいて助かりました」
奏斗はシンクに食器を運び、シャツの袖を引き上げた。
「あっ、あとで私が洗いますから、そのまま置いといてください」
「いや、ついでだからいいよ」
「ついでってなんのついでですか」
「立ったついで?」
奏斗は笑いながら食器を洗い始めた。
二葉は昨日、彼に一方的に別れを告げたのに、彼は至れり尽くせりだ。
(本当なら腹を立てていてもおかしくないのに……)
奏斗は食器を洗い終えてカゴに伏せると、思い出したかのように「ああ」と言った。
「最優秀賞の方はそうだったんですけど、私は残念ながら優秀賞で」
「それは惜しかったなぁ」
奏斗はまるで自分のことかのように悔しそうな顔をした。その表情に二葉は笑みを誘われる。
そんなふうに奏斗が何気ない話題を振ってくれるので、ロンドンでアフタヌーンティーをしていたときのように、なんの気まずさもなく食事を終えた。
「おいしかったです。ごちそうさまでした」
二葉が箸を置くと、奏斗は二人分の食器を持って立ち上がった。
「食べてくれてありがとう。一人で食べきれない量のそうめんをもらったから、助かったよ」
「そんな。こちらこそ作っていただいて助かりました」
奏斗はシンクに食器を運び、シャツの袖を引き上げた。
「あっ、あとで私が洗いますから、そのまま置いといてください」
「いや、ついでだからいいよ」
「ついでってなんのついでですか」
「立ったついで?」
奏斗は笑いながら食器を洗い始めた。
二葉は昨日、彼に一方的に別れを告げたのに、彼は至れり尽くせりだ。
(本当なら腹を立てていてもおかしくないのに……)
奏斗は食器を洗い終えてカゴに伏せると、思い出したかのように「ああ」と言った。