極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
(奏斗さん、寝ぼけてるのかな?)
 それでも、彼の腕の中に閉じ込められたことが嬉しくて、ドキドキドキと鼓動が頭に響く。
「奏斗さん、大好き」
 囁き声で彼に想いを伝えた。
「二葉……」
 吐息混じりの声で呼ばれて、二葉はたまらず彼に口づけた。啄むようなキスを繰り返しているうちに、二葉の脚に奏斗の脚が絡まり、下腹部になにか硬いものが触れた。
 彼が自分に欲情してくれているのだとわかって、二葉は胸がキュウッとなる。
「奏斗さん」
 無意識のうちに名前を呼ぶと、彼が二葉の背中に手を回してごろりと上になった。熱く口づけられて、二葉は彼の首に両手を回す。
 彼をギュウッと引き寄せたら、二葉の唇を貪っていた奏斗が、ピタリと動きを止めた。
「二葉!?」
 奏斗は目を見開き、弾かれたように二葉から離れた。
「どうしてここに!?」
「どうしてって……だって、一緒に住んでるのに」
 奏斗の反応に傷ついて、二葉は小声で答えた。
「いや、そうだけど、せっかく別々に寝ているのに」
 奏斗はあぐらをかいて右手で前髪をくしゃくしゃと乱した。二葉は胸がズキンと痛んで、そっと立ち上がる。
「ごめんなさい。そんなふうに嫌がられるとは思ってなくて」
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