極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる

たくさんの愛を

 その一週間後、もうすぐ十二週という今日、二葉は奏斗と一緒に産婦人科に検診に行った。一ヵ月前は不安と孤独を抱えて一人で来院したが、今日は幸せな気持ちでいっぱいだ。
 三室ある診察室にも、診察室の前にある中待合室にも男性は入れないため、奏斗は受付前にある外待合室で待っている。
「ほら、赤ちゃんの手足がわかりますよ」
 先月と同じ女性医師が指先で画面を示したが、今回はそうされなくても、二葉にもどれが赤ちゃんなのかわかった。前回見たときは小さな丸のようだったのに、今は細く小さな手足があって、背骨が透けて見えている。
 奏斗との間に絆が育まれているように、二葉のお腹の中で大好きな人との赤ちゃんが確実に成長している。
 神秘的で不思議で、でもとても嬉しい。
「つわりはまだひどいですか?」
 医師は二葉にエコー写真を渡しながら訊いた。
「あの、実はいろいろあったんですが、赤ちゃんのパパと一緒にこの子を迎えることができるようになって……彼がいろいろ気遣ってくれるおかげで、つわりもだいぶ楽になりました」
 二葉が頬を染めながら言うのを聞いて、医師は破顔した。
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