極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
言うなり男性はスーツケースを引いて歩き出そうとしたので、二葉は慌てて持ち手を掴んだ。
そのまま男性とスーツケースを引っ張り合う形になる。
「離してください! 困りますっ!」
とっさに日本語で叫んでしまった。慌てて英語で言い直したとき、突然日本語で名前を呼ばれた。
「二葉さん!?」
聞き覚えのある声にハッと振り向いたら、一人の男性が立っていた。ライトグレーのニットにカーキのチノパン、黒のチェスターコートというややカジュアルな格好をしている。一瞬戸惑ったが、昨日カフェでエコバッグをくれたクールなイケメン紳士だと気づいたときには、彼はスーツケースのキャリーバーをしっかりと掴んでいた。
『俺の恋人になんの用だ?』
彼は低い声で黒髪の男性に言った。鋭い目で睨まれ、黒髪の男性はキャリーバーからパッと手を離した。
『こっ、恋人!?』
『そうだ』
イケメン紳士は二葉をかばうように体を入れた。黒髪の男性は小さく舌打ちをして、ぼそぼそと言う。
『困ってるみたいだったから、親切にしてただけだよ』
『本当にそうか? 俺には君がよからぬことを企んでいるように見えたが。たとえば……スーツケースを盗もうとしていたとか』
そのまま男性とスーツケースを引っ張り合う形になる。
「離してください! 困りますっ!」
とっさに日本語で叫んでしまった。慌てて英語で言い直したとき、突然日本語で名前を呼ばれた。
「二葉さん!?」
聞き覚えのある声にハッと振り向いたら、一人の男性が立っていた。ライトグレーのニットにカーキのチノパン、黒のチェスターコートというややカジュアルな格好をしている。一瞬戸惑ったが、昨日カフェでエコバッグをくれたクールなイケメン紳士だと気づいたときには、彼はスーツケースのキャリーバーをしっかりと掴んでいた。
『俺の恋人になんの用だ?』
彼は低い声で黒髪の男性に言った。鋭い目で睨まれ、黒髪の男性はキャリーバーからパッと手を離した。
『こっ、恋人!?』
『そうだ』
イケメン紳士は二葉をかばうように体を入れた。黒髪の男性は小さく舌打ちをして、ぼそぼそと言う。
『困ってるみたいだったから、親切にしてただけだよ』
『本当にそうか? 俺には君がよからぬことを企んでいるように見えたが。たとえば……スーツケースを盗もうとしていたとか』