極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 さらりと本心を明かすと、二葉は照れてますます顔を赤くした。
(出会って二日しか経ってないのに、こんなにも好きになるなんて)
 もっとずっと一緒にいたい――。



 そんなふうに幸せな夜を過ごしたのに、今、目の前で二葉の顔から笑みが消えていった。
 二葉は閉じた目をゆっくりと開けて、冷えた声で問う。
「三ヵ月は待てないでしょう?」
「それは……寂しいからね」
 二葉の変化に戸惑いながらも、奏斗は答えた。
「だったら、私たち、今日で終わらせましょう」
 その言葉に頭を殴られたようなショックを受けた。
「二葉、それ、本気で言ってるのか?」
「本気です」
 今まで親密な会話を交わしていたのが嘘みたいに、二葉は初めて会ったときのような他人行儀な口調に戻っていた。
 二葉との関係を終わらせるなんて。そんなことは考えられない。
 けれど、奏斗がいくら「嫌だ」、「二葉を諦めたくない」と気持ちを伝えても、二葉は頑なだった。
 奏斗は二葉をギュッと抱きしめて胸の中に閉じ込める。ただただ彼女との関係を終わらせたくない一心で。
「……だったら、三ヵ月後、二葉がまた俺に会いたいと思ってくれたなら、帰国するときに連絡してほしい」
「……連絡しなかったら?」
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