極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
フィンランドのヘルシンキでの乗り継ぎを経て、あとは関空に向かうだけ。飛行機が安定飛行に入ってしばらくして、フライトアテンダントが夕食を配り始めた。座席ポケットに挟まれていた案内を見ると、メニューはパン、生野菜のサラダ、ハンバーグと付け合わせのニンジンとインゲン、野菜のマリネだ。
料理に合わせて赤ワインでも頼もうかと思ったが、目の前に料理ののったトレイが置かれ、ハンバーグソースの濃い匂いをかいだとたん、吐き気を覚えた。
胃がムカムカして気持ち悪い。
「う……」
普段は乗り物酔いなどしないのだが……いろいろなことがあったから、疲れが出たのかもしれない。
二葉はワインではなく水をもらった。座席にもたれて浅い呼吸を繰り返す。しばらくそうしていたら、やがて吐き気が少し落ち着いた。パンとピクルスだけ食べて、残りはそのまま片づけてもらった。
(これからは酔い止めを持ってこなくちゃ)
座席にぐったりと背を預けた。顔を左側に向けたが、シェードが下ろされていて、窓の外を見ることはできない。目を閉じると……いつものように奏斗の顔が浮かんだ。
『三ヵ月後、二葉がまた俺に会いたいと思ってくれたなら、帰国するときに連絡してほしい』
料理に合わせて赤ワインでも頼もうかと思ったが、目の前に料理ののったトレイが置かれ、ハンバーグソースの濃い匂いをかいだとたん、吐き気を覚えた。
胃がムカムカして気持ち悪い。
「う……」
普段は乗り物酔いなどしないのだが……いろいろなことがあったから、疲れが出たのかもしれない。
二葉はワインではなく水をもらった。座席にもたれて浅い呼吸を繰り返す。しばらくそうしていたら、やがて吐き気が少し落ち着いた。パンとピクルスだけ食べて、残りはそのまま片づけてもらった。
(これからは酔い止めを持ってこなくちゃ)
座席にぐったりと背を預けた。顔を左側に向けたが、シェードが下ろされていて、窓の外を見ることはできない。目を閉じると……いつものように奏斗の顔が浮かんだ。
『三ヵ月後、二葉がまた俺に会いたいと思ってくれたなら、帰国するときに連絡してほしい』