怪盗ベルにおまかせ!
その隙に、わたしはもとの場所にトロフィーを返しておいた。


いつもなら、怪盗ベルのメッセージカードを添える。

だけど今回は、盗まれていたことに気づかれてはいけないからメッセージカードはなしで。


幸い、トロフィーがなくなっていたことには気づいた人はいないようだった。

盗まれたと知っているのは、わたしと芹那ちゃんと――そして光井くんだけ。


〈次は、5年生によるミックスリレーです〉


そのアナウンスが流れたタイミングで、わたしはクラスメイトたちと合流した。


「…みんな、お待たせ!」

「鈴ちゃん、大丈夫!?芹那ちゃんから聞いたよ、膝をケガしたって!」

「あ…、うん!大丈夫!」


転んでケガをした設定になっているから、一応偽装工作として両膝には大きな絆創膏を貼っておいた。
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