怪盗ベルにおまかせ!
「でも、その足で走れるの…?」

「心配いらないよ。わたしは抱っこされるだけだから」

「あ、そっか!鈴ちゃんの種目は、光井くんとペアの『お姫様抱っこ』だもんね」


そう。

わたしは、ただじっとしていればいいだけ。


そのあと、ギリギリのところで光井くんも合流した。


聞こえた話だと、宝石泥棒を捕まえたと先生に報告して、駆けつけた警察官の人たちに事情を聞かれたと。

それで遅くなってしまったらしい。


ミックスリレーが終わったら、また事情を説明しにいかないといけないんだそう。


面倒に巻き込んでしまってごめんね、光井くん。


わたしは遠くのほうから光井くんに手を合わせて謝った。


「日暮さん、ここにいたんだ」


後ろから光井くんに声をかけられ、わたしはドキッとする。


さっき怪盗ベルの姿で話したばかりだけど、わたし…ここでしゃべっても大丈夫?
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