怪盗ベルにおまかせ!
ミックスリレー後、光井くんのかっこよさにさらにダンダンファンが増えていた。


そうして、そのあともプログラムどおりに進行。

いったんはトロフィーが盗まれたことなんてつゆ知らず、運動会は無事に幕を下ろした。


「光井くん…!」


閉会式後、わたしは光井くんに声をかけた。

光井くんはなにかを探すようにキョロキョロしていたけど、わたしの声に反応して振り返った。


「ああ、日暮さん」

「突然ごめんね…!なにか探しものでもしてた?」

「いや。どこかで怪盗ベルが見てるんじゃないかと思って」

「…怪盗ベル?」


ベルの名前が出てきて、思わず心臓が飛び跳ねる。

すると、光井くんがくるっとわたしに顔を向ける。


「そういえば…、日暮さんの声……」


じっとわたしを見つめる光井くん。

キョトンとした表情をつくってみるけど、実際のわたしは冷や汗がダラダラと流れていた。
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