怪盗ベルにおまかせ!
顔をのぞかせたのは、お母さんだった。


「…ごめん!まだ宿題の途中だった?」

「ううん。もう終わってるよ」

「あら?お化粧してるの?」


お母さんはすぐに、わたしの顔を見てメイクに気づいた。


「あっ…、その…これはっ。前に芹那ちゃんにメイク道具をもらって、試しに…」

「ほんと、芹那ちゃんっておしゃれさんねっ。それに鈴、きれいにお化粧できてるじゃない」


お母さんはわたしの顔を見てにっこりと笑う。


「そういえばお母さん、なにか用があったの?」

「あ、そうそう!実は、砂糖を切らしちゃって。悪いんだけど、今から買ってきてもらってもいい?」

「うん、いいよ」


わたしは、お母さんから財布を預かった。

だれかに見られたら恥ずかしいからメイクを落として行こうと思ったけど、ちょっとそこまでの買い物だし…これでいいよね。
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