怪盗ベルにおまかせ!
その後、悠は1ヶ月近くかけて光井くんのカメラを修理した。


わたしは早く光井くんに届けたくて、修理が終わったその日の夜に光井くんの家に向かった。

もちろん、家の場所は悠が調べてくれて。


光井くんの家は、10階建てのマンションの8階にある角部屋。


遠くから様子をうかがっていたけど、どうやら家の中にいるのは光井くん1人だけのようだった。

たしか、お父さんとお母さんは仕事で忙しいから家にいないときが多いって、学校でだれかに話していたような気がする。


わたしはベルの姿で、マンションの屋上からベランダの手すりを使って8階へと下りる。


修理した一眼レフカメラが入った袋は、ベランダにそっと置いておこう。

これで、ようやくこの依頼も完了ね。


そう思っていた、――そのとき。
< 145 / 181 >

この作品をシェア

pagetop