怪盗ベルにおまかせ!
「それにしても、だいぶ増えてきたな〜」

「そろそろ売っちゃってもいいんじゃないの?」

「いや、まだダメだ。ベルと騒がれているうちは、へたに売り飛ばさないほうがいい」


話を聞いていると、初めはただの悪ふざけでベルの格好で引ったくりを始めたみたいだ。

それが動画で注目されるようになって、徐々にエスカレートしていって。


都合の悪いことがあれば、ベルの仕業にして逃げるつもりだったらしい。


「偽物の怪盗ベル!悪いことをするのは今日で最後にしなさい!」


わたしは物陰から姿を現し、2人がいるトランクルームの上に降り立つ。


「…だれ!?」

「だれだ…!?」


驚いて見上げる2人。

そして、月夜に照らされるわたしのシルエットを見て目を丸くする。


「もしかして、…本物の怪盗ベル!?」
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